::進撃の巨人×カゲプロA
「右翼側全滅!サジャール班、合流します!」

ただ1人、馬に乗り駆けてきたジャンの言葉に、私は絶句した。おかしい。今までだったらこれ程までの被害なんてありえなかった筈だ。なのに、全滅なんてっ、私はギリっと馬につながる手綱を握りしめた

「○○、今は走り続けないと。」

「そうだね。ごめん、ベルトルト。」

再び走り出した班長であるウラル班長とベルトルト、ライナーに続いて、私とジャンも馬を走らせた。大丈夫、きっと私たちは大丈夫だと自分に言い聞かせながら

「○○、緊急事態を告げる信煙弾を上げてくれ!」

「はい!」

私は、ウラル班長に即されて腰ベルトに備え付けられていた信煙弾を取り出し、黄色の火薬を詰め込んだ。これは右翼側にて緊急事態が起きたことを知らせる信号。これを打つことになるなんて…。私はぐっと肩で左耳を塞ぎ、信煙弾を握った右腕を天へと突出しトリガーを引き絞った

ドンッ

一直線に空へと伸びていく黄色い煙の筋に、今度は遠く離れた左の空に同じ物が上がっていくのが見て取れた。私は信煙弾を腰ベルトに戻して、しっかりと両手で手綱を握った

「このまま調査を中断し、本体と合流する。中央へ向かうぞ。」

「はい!」

私たちは真っ直ぐに進んでいた馬をそのまま左へと逸らして、中央へと向かった。右翼側が全滅してしまった今、このまま調査を続行させることは不可能だ。右翼側で生き残っているのは、私を含め5人。最低でも100人以上の被害が出てしまっている。私はギリっと歯を食いしばり、手綱を振るった。その時だった。馬の駆け音とは違う、地を響かす地響きが身体を走ったのは

「5m級が2体、接近中!」

ライナーの声が耳に突き刺さった。後ろを振り返れば、此方に凄い速さで走り寄って来る巨人と、木の間からのっそりと身体を起こす巨人がいた。奇行種と通常種か。私はチっと舌打ちをし、立体機動の準備へと移った

「俺とフーバーとブラウンは奇行種!○○と、キルシュタインは通常種にあたれ!いいな!」

「はい!」

言うや否や、私はジャンにアイコンタクトを送り、お互い1つ頷いた。それを合図に、私は近くに聳え立つ木の幹へとワイヤーを飛ばし、アンカーを突き刺す。そのまま馬から枝へと飛び移り、私は通常種の背後へと移動した

「ジャン!」

「分かってる!」

囮となって馬を走らせていたジャンも、立体機動に移る準備をする。ジャンが巨人の傍を離れた瞬間に、項を削ぎ取る!私は刃をギュっと握って、タイミングを見計らった

「ぅぎぃやぁぁぁぁッ!」

まさに、ジャンが立体機動に移る直前だった。突然、響き渡った叫び声に一瞬、視線が巨人から離れてしまった。そしてその目で見たのは、奇行種に腹から下を噛み砕かれているウラル班長の姿で。私はまたしても愕然とした。何故だ、どうしてウラル班長があんな目にあってるんだ。おかしい、やっぱり私の知っている未来とは変わっている。ウラル班長がこの場で死ぬことも、これから先の私が知りうる未来でも、彼が死ぬことはなかったのに。そんな、そんな。ごくんと巨人の喉を滑り落ちていったウラル班長の叫び声が、いつまでも耳にこびり付いて離れない

「っうぐ、!」

「…、ジャンッ!」

しまった。通常種の巨人から一瞬、意識を奪われていたのはジャンも同様だったらしく、その顔には絶望の色が浮かんでいた。そして、そんな彼の身体は、巨人の掌の中に閉じ込められている。ああ、私のバカ!目の前の巨人から目を離すなんて!ギリギリと身体を締め付けられたジャンは、苦痛の声を口から漏らしながらも、何とか逃げ出そうと身体を捻らせている。だけどそんな小さな抵抗さえも嘲笑うかの様に、巨人は、がぱりと口を大きく広げた

「ジャンッ!」

ダメだ!ダメだ、こんなの絶対に嫌だ!どうして。此処は同じ時間がループする世界じゃないの?私の何度も過ごしたあの日々とは少しだけ違う、その気持ち悪いズレに吐き気がする。だけどそんなの。このままじゃ、ジャンが巨人に食い殺されてしまう!どうしよう、考えてる時間なんてなくて巨人は大きく開けた口のまま、ジャンへと近づいていく。絶望の色に染まったジャンの身体は、諦めてしまったのかただ震えるだけで抵抗の動きは止んでいた

「…嫌、だ…こんなの……っ、」

ダメだ、こんな未来、私は認めたくない。もしかしたら私が繰り返すことで、世界にズレが生じてしまったのかもしれない。だから未来が変わってしまったのかもしれない。私がいなかったら、ウラル班長もジャンもこんな目には合わなかったのかもしれない。私がいたから、この世界に異物として存在してしまったから。こんなことになってしまったのは全部、…全部、私のせいなのかもしれない…

「…だったら、だったら私が、」

私が…、こんな残酷な未来を変えてやるっ!


キッと巨人を睨み付けた私のその目は、真っ赤に輝いていた


■□■□■□■□

世界を変える決心を
(誰も望まないの こんな結末)

って、とこまでで私は力尽きた…ぐふ


9:30 04 Aug (0)


::進撃の巨人×カゲプロ@
この世界に落とされてもう何年になるのだろうか。仲間のいないこの残酷な世界で、私は訳も分からず戦っていた。調査兵団に入ったのだって、帰り道を探すため。顔も知らない王に心臓を捧げるなんて、そんなのゴメンだもんね

「おはようございます、○○。」

「おはようサシャ。今から朝ご飯?一緒に行ってもいいかな?」

「勿論です!」

この世界の人たちは皆、私が別の世界の人間だなんて知らない。シガンシナ区で哀れにも家族も家も全てを失った女の子、だと思っているから。勿論、私はシガンシナに住んでいたことも、家族がいた訳でもない。ただ、酷い地響きが起こり目が覚めたその時、私はシガンシナにある川の畔に倒れていたのだ。最初は夢なんだと思った。激しく怯え逃げ惑う人々に、辺り一面に広がる赤い血。鼻を突き刺す鉄の匂いに吐き気がした。ズシン、ズシン、と人々の叫び声に混じる大地を震わす程の地鳴りに、それが足音だということに気付いたのは、ソレが目の前までやって来た時だった。私の足元に広がる小さな影を覆い尽くしてしまう大きさのソレを、人々は巨人と呼び、畏怖していた

「はぁ、遂に今日は壁外調査ですね…。」

千切ることもせずに、パンを丸ごと口に放り込んだサシャは、テーブルに肘を付きながら口をもぐもぐと動かした

「そうだね…。」

私はその前の席に座って、具材が細かく刻まれたスープをスプーンで掬って口へと運んだ。サシャは尚も器用に溜息を吐きながらも、口は休めることなくパンを頬張っている。それに苦笑しながら、私は少しでもサシャを元気づけたくて、自分のパンを半分に千切ってそっとサシャのお皿の上へと置いた

私が体験しているこれは、異世界トリップというものなんだろう。だけどただ1つ、おかしい事がある。私は何故かこの世界で8度死んでいるのに、まだ生きているのだ。初めてこの世界で死んだのは、あのシガンシナで訳も分からず茫然としているところを、巨人に踏みつぶされた時。だけど次に目を開けば、そこは天国でも地獄でもない。私はまたあの川の畔で眠っていた。それから2度目の死は訓練兵時代のこと。雪山訓練の際に仲間と逸れ遭難してしまった私は、そのまま帰ることも出来ずに凍死してしまった。だけど今回も私は死ぬことなく、宿舎小屋の自分のベッドにいた。それは私が凍死したはずの雪山訓練へと出発する前日のことだった。そんな死んで目覚めての繰り返しが8度も続いた。だからきっと私はこの世界をループしているのだろうという結論に至ったのだ。抜け出すことなんて出来ない、この世界の大きな渦に飲み込まれてしまったんだと…

「隣いいか?」

「ライナー、勿論いいよ。ベルトルトもどうぞ。」

「ありがとう。」

そう言いながら隣に腰かけたのはベルトルトで、その正面であるサシャの隣にライナーが朝食の盆を持って座った

「サシャはどうしたんだ?随分、暗い顔してるが。」

「今日は壁外調査ですよ?今日、死ぬかもしれないって考えたら、そりゃ暗くもなりますよ。」

私のあげたパンを頬張りながらも、何処かいつもより暗い顔をしたサシャの元気は、やっぱり満たされなかった様だ

「でも○○は平気そうだね?」

「顔に出してないだけだよ。内心、凄く不安だもん。」

隣からひょこりと顔を覗かせたベルトルトに、ドキリとしながらも私は困った様に眉を下げた。勿論、私だって壁外調査には不安がある。壁の外の世界で巨人に踏みつけられたことも、肉を食いちぎられたことだってある。怖くない筈がない。もしかしたら死ぬかもしれない、生きて帰って来れたとしても、この世界での仲間が死ぬかもしれない。そう考えると不安で不安で堪らなくなる。だけど私は自分の世界の、仲間たちが待つあの場所に帰るために、行かなくちゃいけないんだ。何度、死んだとしても何度も何度も、探さなくちゃいけないんだ。皆の元へ帰る方法を

「ふいー!今日も美味しかったです!」

「サシャの良いとこは、どんなに落ち込んでてもご飯はしっかり食べるとこだと思うんだ。」

満足そうに息を吐くサシャに、私たちは声をあげて笑った。何てことはない。きっとまた帰ってこれる。だって今までのループでは、この壁外調査で死んだ104期の仲間たちは1人もいなかったし、被害も絶望的な大きさでもなかったのだから。私が上手くやれば、絶対にまた帰ってこれる。不安なことなんて何もないんだ。私は大丈夫と自分に言い聞かせて、強く強く目を瞑った


■□■□■□■□

何度でも世界は再生する
(さぁ、出発の時間だ)


9:28 04 Aug (0)


::久々知兵助
「君の豆腐で眠りたいんだ!」

「…へ?え、は?…と、豆腐?」

「そう、豆腐!」

「な、何で豆腐…。」

「それは君の豆腐が魅力的だから!」

「と、豆腐…。」

「そう、豆腐!」

「てか、私の豆腐って…、何?」

「それは君のおっぱ(バッチーーンッ!)


■□■□■□■□

変態アホでイケメンな兵助くん可愛いよ
基本的に五年はアホでいてほしいな!

そしてどちらかと言えば兵助くんは、ましゅまろみたいなおっぱいが大好きな胸フェチで
雷蔵は腕フェチ
三郎はマニアックなとこいってほしい
お尻フェチかなとか思ったけど何だよそれっていう
くるぶしフェチで
勘ちゃんは女の子だったら何でもいい感じ
「女の子は皆、可愛いよ(にこにこ)」
はっちゃん?はっちゃんはメスなら何でも\(^q^)/←


9:27 04 Aug (0)


::尾浜勘右衛門 -死ネタ注意-
「勘ちゃん好き。」

「うん、俺も君のことが好き。」

「大好き。」

「うん、大好き。」

「愛してる。」

「俺だって愛してるよ。」

何度も何度も愛の言葉を吐き出しながら、君はつらそうに唇を噛みしめ涙を零していた。好き大好き愛してる触れたい傍にいたいもっとずっと一緒にいたいよ

「大好きだよ勘ちゃん。」

「俺も大好きだよ。」

「勘ちゃん…、本当に愛してたんだよ…。」

「俺も…俺も、愛してたよ。」

あぁ、何で俺たちにはこんな結末しかなかったんだろうね。君に向けて握りしめた刀が、だらしなくもカタカタと震えていた

「…、ごめんね…。ごめん…。」

「…勘ちゃん、ありがとう…。」

君の左胸に深々と突き刺さった刀は、君の血をたくさん吸って、それは刃から伝って俺の手までをも真っ赤に染めていった

「……ばいばい。」

俺に向けてそう微笑んだ君は一粒、涙を零してそっと目を閉じた。幸か不幸か、それは何よりも俺が守りたかった君の笑顔だったんだ

「好きだよ…ずっと…ずっと愛してる…。」

君に初めて出会った時、自分の心に誓ったんだ。何があっても君のその笑顔を、俺が絶対に守るんだって

「…だったんだけどなぁ…。」

ポタリ

真っ赤だった俺の掌に、透明の雫が1粒零れ落ちた


■□■□■□■□

忍術学園に密偵として忍び込んだヒロインちゃんだけど、勘ちゃんと恋に落ちてしまうんだけど遂にはバレてしまって殺されてしまうことに。本当は教師陣に処刑させるつもりだったんだけど、せめて最後は俺にやらせてくださいという勘ちゃんの意思で、最後は勘ちゃんが手をくだすことにというそんな切ないお話を…こう…こう…っ!


9:27 04 Aug (0)


::尾浜勘右衛門
「尾浜くん!」

それはいつものメンバーで、お昼時の食堂へ向かってる時のことだった。不意に後ろから名前を呼ばれて振り返ると、そこには確か同じ五年生であろう女の子が、顔を赤くして立っていた。くのいち教室の子に話かけられることなんて滅多になくて、俺は自然と警戒していた。一緒にいる兵助や三郎も同じ様に警戒していて、俺はそのまま「何?」と彼女に声を返した。その途端の大胆発言

「尾浜くん、私と結婚してください!」

ぽかーんとしてしまったのは俺だけじゃない様だ。雷蔵や八、それだけじゃなく此処にいる忍たま全員が固まってしまっている。彼女は一体、何を言っているんだ?

「…えっと…。」

「あ!大丈夫です!私、料理も掃除も得意ですよ!」

「…いや…そうじゃなくて…」

「自分で言うのは何なんですが、花嫁修業は完璧です!」

「…ちょっと待っ、」

「絶対に尾浜くんを幸せにする自信があります!何一つ、不自由にさせるつもりはありません!」

「ちょっと待って」そう言いたくても、尽く彼女のマシンガントークに俺の言葉は阻まれてしまう

「あ、でも私まだ甘味を作るのが上手じゃなくて…あ!安心してください!今、ちゃんとおばちゃんに聞いて、練習してるので!」

「…え、っとね…。」

「尾浜くんは甘味が好きなんですよね。私、絶対に上手になって尾浜くんに美味しい甘味を振る舞いますから!」

「ねぇ!」

「は、はい?」

漸く、彼女が俺の言葉を聞いてくれるようだ。一体どうしたの、という風にキョトンと真っ直ぐにこっちを見据えてくる2つの目。そう聞きたいのは俺の方だよ。だけどその前に聞かなくてはいけないことが1つ

「どうしたんですか尾浜くん?」

「…いや、まずキミ誰?」

そう言うと、彼女はキョトンとさせていた目を更に真ん丸にして小首を傾げていた。いや、だからそれは俺の方だってば


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とりあえず丁重にお断りさせていただきます


1:43 04 Aug (0)


::【銀魂】新選組
「おい、焼きそばパン買ってこいよ。」

「分かりました沖田さん。おい山崎、焼きそばパンとメロンパン買ってこいよ。」

「分かりました…って言わねェよォォォ!?伝言ゲームじゃないんだよ!何を当たり前の様にパシリ押し付けようとしてんの!?しかも何、お前の希望品までプラスしてんだよォォォ!」


1:42 04 Aug (0)


::山田利吉
「利吉さん。私、いくら顔が良くてもやっていいことと悪いことってちゃんとあると思うんです。そう。例えイケメンでも朝方、女子の布団にこっそり忍び込むのは犯罪だと思うんですよね。」

「奇遇だね。私もそう思うよ。いくら顔が良くても、人の道を踏み外した行いはするべきではないからね。」

「いや、さらっと当たり前のこと言ってますけど説得力ないですからね。今のイケメン、貴方のことですからね。」

「.......っ!」

「何ですかその今、気づきましたみたいな顔は。」

「...き、君が私のことをイケメンだと思ってくれていただなんて...やっぱり...君は私のことを愛していたんだね!」

「妄想乙。」

「分かっていたさ。君がそうやって私に冷たい言葉を投げかけてもそれは照れ隠しで、本当は私のことを想っていたということを。」

「マジで妄想乙。因みに投げかけてませんので。いつも言葉の刃で利吉さんをぐっさぐさに刺し殺してやろうと毎日が全力投球ですから。」

「全く。大丈夫さ、私は君よりも大人だからね。君のその不器用な愛も丸ごと受け止めてあげるよ。」

「もうダメだよこの人。全く言葉が通じないんですけど。どれだけ全力投球してもアウト連発だよ。」

「君の想いはいつでも私のハートにストライクだけどね。」

「チェンジィィィ!スリーアウトピッチャーチェンジィィィ!」

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残念なイケメンってとても素敵だと思うんです私


1:41 04 Aug (0)


::現パロ五年
「おほー!何か今ドーナツ半額とやってるらしいぜ!」

「本当だ!ねぇ、皆で食べていこうよ!」

「私は雷蔵が食べたいなら賛成だ」

「三郎キモイ。俺もドーナツ食べたい!甘い物食べたい!」

「豆腐ドーナツあるかな...」

それからそれから

「...雷蔵はいいとして勘右衛門...お前は何個ドーナツ食べるんだよ。しかも生クリーム系ばっか...あ、何か気持ち悪くなってきた…うぇっぷ…」

「三郎キモイ。だって甘いものは別腹だろ?」

「違うよ勘ちゃん。豆腐が別腹なんだよ。」

「兵助。お前のは主食だろ。てかもう豆腐ドーナツに生豆腐トッピングするのやめて!お客さんの視線が恥ずかしい!やめて!八左衛門くんのライフはもう0よ!」

「僕ドーナツのお代わりしてくる。」

「あ!雷蔵!俺も行くー!」

「じゃあ私はアイスコーヒーを注文しに行こう。」

「俺も豆腐ドーナツをもう3つ買に行く。」

「やだ!皆!置いてかないで!ノォォォォ!」


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甘いものの吸引力はダイ◯ン並みな勘ちゃんと雷蔵さん
とても可愛いです


1:40 04 Aug (0)


::五年生
「兵助くん!あのね、これ…手拭い…良かったら使って!」

「…え、あ、…ありがとう…。」

「ど、どういたしましてっ!」

「…あ、でも……そしたら、貴女のが無くなるんじゃ…。」

「いいの!元々、兵助くんに渡そうと思って持ってき…

「え!?」

「あ、いや、な、何でもないの!2つあるから全然大丈夫!」

「…そ、そう…。」

「うん、そう!そう!あはははは!」

修練場の片隅で繰り広げられるやり取りに、俺たち五年生はただただ、げんなりとした視線を向けていた

「…なぁ、またあの2人やってんだけど…。」

「もう見飽きるくらいの日常だよね…。」

俺がそう零せば、隣にいた雷蔵から言葉が返ってきた。またチラリと2人に視線を向ければ、頬を赤くさせてハニカム彼女と兵助の周りに、ぽぽぽとピンクの花が見えたような気がした

「お互い両想いなのは、明らかなのにな…。」

「だけど2人とも鈍感だから、気付いてないみたいだけど。」

困ったもんだ…と腕を組みため息をつく八左ヱ門に、勘右衛門もため息をついた

「八左衛門ですらも気付くくらいなのに…。」

「おい、三郎。それどういう意味だよ。」

「そのまんまの意味だよ。」

「何おぅ!?」


■□■□■□■□

鈍感な秀才とそれを見守る友人たちのお話


1:40 04 Aug (0)


::【うたプリ】聖川真斗
休日は決まってこの公園のベンチで本を読むのが、私の恒例行事。学校が休みの今日、あいも変わらず本を読んでいれば、膝にぽふっとした何かが乗り、視線を向ければ、クリっとした大きな瞳にぶつかった

「…犬?」

そこには、真っ黒で艶々とした毛並みを持つ大きな犬が、膝の上に顔を乗せたままダークブルーのクリクリした目でこちらを見上げていた

……撫でても…良いのかな

恐る恐る手を伸ばし頭を撫でれば、その子は気持ちよさそうに両目をつぶった

「…か、可愛い!」

その可愛らしさに胸の奥でキュンと締め付けられるような何かを感じ、同時に私の中の何かが爆発した

「可愛いすぎる!んってした!んって!それに毛並みもふかふか艶々!可愛い!」

その子を両腕いっぱいにぎゅーーっと抱き締めれば、びっくりしたのかジタバタと暴れては私の腕から逃れようと騒いでいるではないか

ちょっとショックなんだけど…

名残惜しくもパっと腕を放せば、これ幸いとばかりに逃げられ一瞬のうちに距離をあけられてしまった

「…へこむ…。」

だけど何処かに行くわけでもなく、5歩程、離れた所にお座りしては此方をじーっと見つめている

可愛いじゃないか。ツンデレか!?ツンデレなのか!?

「…もうギュってしないから…おいで?」

そうやって手を伸ばせば、恐る恐る近づいて、伸ばした手に頭を押し付けてきた

どうしよう…お持ち帰りしてもいいですか?

ゆっくり優しく頭を撫でれば、また気持ちよさそうに目を閉じていた

あぁ、可愛いなぁ…それに大人しいし毛並みも綺麗だし…。だけどこの子、飼い犬なのかな?見たところ首輪はしてないみたいだけど…

うんうん考えていれば、どうも手元が疎かになってしまっていたらしい。腕時計に、ワンコの毛が挟まってしまったのか、手首がくんっと引っ張られるのを感じた。あ、と思う暇もなく、その声は聞こえたのだ

「…いだっ!!!!」

この目の前にいる真っ黒な犬から

「そう犬から…って、え!??!喋った!?」

ああああり得ない!あり得ない!と思いながらも、パチパチと瞬く視線をワンコに向ければ観念したとばかりに、ワンコは深いため息をついた

「すまない。驚かすつもりはなかったんだが…。」

「…え、な、な…っ!」

「とりあえず落ち着いてくれ。」

「…あ、う、うん…。」


未だにバクバクしてる心臓をギュっと服の上から押さえて、とりあえず3回、深呼吸をした

……あれ、そう言えばこの声…どこかで…

「今から見る事は到底、信じられない事だと思うが全て真実だ。」

「…うん。」

「それじゃあ…。」


ぼふんと空気が抜ける様な音がしたかと思えば、そこにワンコの姿は無く、その代わりに1人の男の子が立っていた


「…は!?!?」

しかも、それはクラスメイトの聖川真斗くんな訳で…

「な、ど、どういう…。」

「そういうことだ。」

ふっと笑った顔はあいも変わらずイケメンでした


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ワンコがキミで、キミがワンコで


1:36 04 Aug (0)



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