05*アレが輝いて見えるのは何故だ
昨夜一度で終わらせてやれたのは奇跡に近い。
朝陽の中、身体中にいろいろな痕を残して眠っている姿を眺めながらそんなことを考えていた。
最後の方は意識を飛ばしかかっていたような気がする。吐き出した後、ひくひくと震える身体を抱き寄せながらもう一度と動こうとしたら、これ以上されたら死んでしまうなどとだらしないことを言っていた。
そのまま意識を失うように寝入ってしまったので、仕方なく俺も眠ることにしたのだった。そのまま起きていたら再び硬度を持ち始めていたものの収まりがつかなくなりそうだったので、無理にでも目を瞑ったという方が近い。
なので身体には昨日の名残が残ったままだ。風呂に入るかと身を起こして、横で眠るこいつはどうしたものかと思案する。ついでに風呂に入れてやりたいが、無理に起こすのも気が引けた。
起きてから無理そうならば手伝ってやればいい。結局はそんな風に結論づけて、一人で風呂場へと向かった。
すっきりと汗を流して寝室へ戻ると、ベッドではまだすやすやと暢気な寝顔で惰眠を貪る姿が。
気楽なものだと少し離れたところから眺めていると。
「んぅ……」
もぞもぞと動き出したのを見て、ようやく起きるのかと思ったのだが。
「………………」
また眠りやがった。
時間に余裕があるとはいえ、そろそろ叩き起こすかと思っていたら、再び寝返りをうって。
「へいちょう……」
寝言のように俺を呼んでいた。夢の中で一体何をさせられているのか恐ろしい。
「ふふ……」
そんな俺の心中を知るよしもなく、間抜け面で笑っている。そうだ。どう見ても間抜け面だ。眉は下がり、口元を緩ませて。なのに。アレが輝いて見えるのは何故だ。
らしくもなく心臓が跳ねるのは。
「……き、」
まだ何か言っている。
いい加減起きろと布団をはがしてやろうと近づいた。
そこで目に入った姿に動きが止まる。
「すき……だいすき、ですよ……」
輝いて見えるのは。
ああ、そうか。恋をしてしまっているからかと、言い逃れのしようもなく納得させられた。
変態に恋してしまいました 終