最近アキと仲が良いな、とクロウが言った。
それがどうゆう心理で言われたのかは分からないが、クロウのその時の表情といったら不機嫌そのもので、触れたら噛みつかれるんじゃないかと感じるくらいだった。だが、何故クロウがそこまで不機嫌なのかが俺にはまだ理解出来なかった。

「いきなりどうしたんだ」
「別にー、思ったこと言っただけだよ」

それで会話が途切れ、気まずい雰囲気が流れる。俺とクロウでこんな空気になることなんて滅多に、嫌、今までに無かったためどう対象したらいいか分からなかった。
そうやって困惑している中クロウが先に口を開いた。

「遊星はアキのことが好きなのか?」
「え」
「その、恋愛とかそうゆう意味で、さ」

恥じらうように顔を反らしながら聞くクロウに、恋というものに不慣れな感じがして不覚にも可愛いと思ってしまった(というより元からクロウは可愛い。異論は認めない)

「アキは、大切な仲間だ」
「そ、それって」
「恋愛やそんなのでは無い」

俺がそう言うとクロウは一瞬いつもの明るい雰囲気を取り戻したが、すぐに罪悪感にまみれたような表情となり眉に皺が寄る。しばらく考え込むようにある一点を睨むように見ていたかと思うと、ばっと顔を上げ俺を一心に見た。
その時のクロウの茹でられたように赤い顔がひどく印象的だった。

「好きだ」
「……え?」
「俺、遊星が好きだ」

ただ呆然としてしまった。
このクロウの言う好きが話の流れから、恋愛だったり恋という意味で言われているのだとしたら、そこまで考えると胸が燃えるように熱くなった。鼓動も早く、うるさくて仕方がないくらいに大きい。

「いや、その、悪い……いきなりなんだよって感じだよな。俺だって分かってる。遊星が俺のことその、幼なじみとしか思ってないこと。でも、でも今言っとかないと思ってさ。だから、あの、そのだな……」

先程より赤くなった顔は、口早につらつらとそう言う。
その姿が今まで以上に可愛く見えてしまった俺は、思いのままクロウを抱きしめた。
腕の中にあるクロウ熱が暖かくて、嬉しさもあってかクロウがこの上なく愛しい。愛しすぎてこちらがどうにかなってしまいそうなくらいに。

「ゆ、せい、あの」
「すまないクロウ。こうゆうものは男から言うものなのにな」
「いや、え?遊星?」
「クロウ」
「あ、は、はい」
「……俺の特別になって欲しい」

腕の中で体が小さく震えた。
強く抱きしめた体を離すと、背を丸くし視点を同じにすると額と額を重ねた。クロウは赤面した顔に目を見開いていた。
だがすぐに、微笑んで見せたクロウに俺も笑みがこぼれた。
そして、すでにそこにある答えの前でこう囁く。


「……俺と一緒に生きてくれますか」



赤色の幸福論
この額から伝わる熱さえも私たちの幸せ








あとがき
こんなの遊星じゃない。
書き終わった一番最初の感想がこれです(笑)
幸せ系告白話。赤面するクロたんが書きたかったとかじゃないですよ?いやいや本当に←
それにしても、何かアキさんが不憫な気がしてならない。でもアキさんとクロウは良きライバルです。だからどちらかが結ばれても応援してあげると思う。でもやっぱり悔しいから泣いてしまって、それもお互い受け止めあったらいいんじゃないかな。