烏に愛を叫ぶだけ

2011/03/23 04:07 [他ジャンル]






特別良い夢を見ていたというわけでは無かった、というよりこの年になって見た夢の良し悪しで気分が害することは無くなってしまったから、この真夜中に起きてしまうのも仕方ないことかと思える。

「ですがまあ、これはどうゆうことなんでしょうねえ……」
あるはずの無い体温とそれなりの大きさをもつ人体が自分の腕の中で猫のように丸まって収まっていた。
それに気付いた時、自分は驚くくらいに冷静であった。腕の中で眠る彼が本当は隣のベッドで眠るはずのガイであると認識できる程度に。


「さて、どうすべきか」


普通に考えれば、この場で起こして戻るように促さなければならない。もとい自分に眠っているから悪いなどと気を使う精神など持ち合わせていないのだから尚更そうゆう行動を取りやすい、のだが……。


「惚れた弱み、というやつですかね……」


勝手にベッドに入られて寝られるているというのに怒る気にはならなかったのも、寝顔が不覚にも愛らしいと思ってしまい起こすことが出来なくなったのも、以前の自分からは考えられない。というより、以前の自分は未だちゃんとあるのだ。ただ彼の前になるとそうではなくなるだけ。
ああ、なんともそれは一種の病のようだと思うと、溜め息がひとつこぼれた。


「厄介な病にかかってしまいましたねえ……」


腕の中にある人肌の温もりを抱きしめてそう呟く。腕の中のそれは体をより丸くし、規則正しい寝息をたて、それにてられて自分も二度目の眠りに落ちた。





「大佐、病気になったとお伺いしたのですが大丈夫ですか?もう少し宿で休まれては」
「……ティア、それは誰から聞いたんですか?」
「え、ガイ……ですけど」



END


もう突発的ですいません。最近熱くて……好きなんですJG。これまたマイナーなんですがねorz


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