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「……ぁ、起きたんやね!あんた大丈夫なん??」


起きた事に気付いたのか、目の前に居た少女は笑顔で話しかけてくる。その笑顔があまりにも眩しく、太陽みたいに輝いて見えた由美は反射的に目を小さくする


「…うん、大丈夫。ありがとう」
「よかったー。いきなり空から落ちて来たんやから、ビックリしたんよー!」
「そう、なんだ…」
「うち、佐倉蜜柑言いますよろしく!」
「わたしは、佐原由美です。」


読んでいた時よりも主人公である佐倉蜜柑ちゃんの好感度は高い。色で例えるなら、白とオレンジ色を混ぜたような温かい…そんな気持ちにさせられる


「そや!この人ってなかなか起きんのよー」


そう言って蜜柑ちゃんは、横になっている日向棗くんの黒猫のお面を外し自分に付けたり鼻を閉じてみたり色んな事をしていた。

この世界を読んでいた時は疑問に感じなかったけど、あのお面ってアリスを制御する特殊のお面で簡単に外したり出来ない訳で……、いとも簡単に外した蜜柑ちゃんはやっぱり無効化のアリスを無意識に発動させていたみたい

わたしが二人を見ながら分析をしている中、蜜柑ちゃんが起きた棗くんにより押し倒されアリスで脅されようとしているのに気付いたのはわたしの名前を呼ぶ蜜柑ちゃんの声と棗くんの声だった


「ゆ、由美ちゃんっ助けて!!」
「……ゆ、み?佐原か?」

「ぁ、棗くん久しぶり」


ぺこりっと頭を下げたわたしに、棗くんは蜜柑ちゃんに向けていた鋭い目付きから悲しそうな視線をわたしに向けてくる


「お前…戻ってきたのか」
「…うん、そうだね」
「ちょ、由美ちゃん!!話してる場合やなくてうちを助けてぇえな!!?」


棗くんは、ジタバタと暴れる蜜柑ちゃんに舌打ちを鳴らし動けない様に拘束し出した。ブザーを鳴らすべきかっと腰をソファーから上げたや刹那、横の窓が派手に割れ、飛んできた破片が頬を掠る

登場したのは、乃木流架くん。


「次から次にな、なんやのー!!」
「うるせぇ…」
「なにしてんの…棗…っと、佐原?」
「お、久しぶりルカくん」


戻ってきた世界の始まりは騒がしかった
.




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