ゆめのなかで。


私は、不思議な夢をよく見る。

場所も時代も明らかに現代ではなくて
着ている服も着物
そして隣には浅葱色の羽織をきた男の人がいるんだけど何故か顔が見えない
頑張って見ようとするのにどうしてもぼやけてしまう
でも、男の人は優しくて何故だか安心できていつも
「なまえ・・・俺はあんたを好いている」
なんて、照れくさそうに言うのが可愛いと思う。
だけど、男の人が近づいてきて抱きしめられるところでいつも目が覚めるんだ。
毎日のように見るから、何かあるのかなと前に一回だけ同じ部署の沖田くんと斎藤くんにぽつり、と零すと沖田くんも斎藤くんも苦笑を浮かべていた。まぁ、苦笑しかないよねこんな話。


「いつか、きっとわかる時が来るよなまえちゃんにもね」
そう言ってぽんぽんと頭を撫でてくれた沖田くんはなにか知ってるような雰囲気だったけど、聞こうとすると話を変えられてしまうから今はもう諦めた

斎藤くんは戸惑った目をしながら
「その男は・・・・いや、なんでもない。」
なんて珍しく歯切れの悪い返事をして悲しそうな目をするから不思議だ。

斎藤くんには言えてないけどあの男の人斎藤くんにどことなくにているんだけどな

なんて、心の中で思いながら今日も朝目覚めて会社へ向かうのだった。


ゆめのなかで。

(会うことが楽しい。)