※雑記から再録の小ネタ



「ねえ、フィア。俺のお嫁さんになってくれる?」
 他愛もない会話の流れの中でさらりと告げられたそれは、まるで明日どこかに出かけない? なんて、大したことでもないような軽やかな響きを持っていて。
 だけどちらりと見やった彼の顔は、夕陽のせいなんて言い訳が出来ないほど赤く染まっていて。
 そして私の顔も負けず劣らず真っ赤に染まっているに違いなくて。
 断るなんて選択肢、端からありえない。
 私は夕暮れの中、幸福に満ち溢れる笑顔を浮かべながら、はっきりと頷いた。
「……喜んで」

 そんなわけで、私たち結婚することになりました。



↓NG



「あのさ、フィア」
「なあに、リンク」
「その」
「うん」
「け、」
「け?」
「け、けっ、こ、ケコッコー……」
「いきなりどうしたの、鳴き真似なんて。本当にコッコが好きねえ、リンクは。でもだからってあんまり虐めちゃだめよ」
「…………ハイ」

(プロポーズがこんなに難しいなんて知らなかった)



12/04/05


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