「はーい…っ!?」
「くぉらー!最近付き合い悪い花子の為に着てあげたわよー…お?」

大学の友人の里美と我が家の我が儘リドルくんのご対面と来ましたよ。やばいやばいやばいやばいやばい!

「ん?この子誰?」
「部屋間違えた?」

ぞろぞろと後ろから班が一緒だった事きっかけに仲良くなった由利香と中島と加藤が顔を覗かせる。なんとまぁよく絡むメンバーが揃ったものだな!
あっこのまま私が現れなければ皆部屋を間違えたと勘違いしてくれるかm……

「花子さーん、友達が来ましたよー」

やめてくれリドル。もう後戻り出来なくなってしまったじゃないか。もうやだこういう時だけ気を配るリドルくんいやだ。こんな時だけ敬語使うリドルくんいやだ。
場違いなくらいにそれはもう綺麗な笑顔を浮かべるリドルに呼ばれてしまったので出るしかなくなった。完全に今リドル猫かぶってやがるぜ。いつもと雰囲気違うもん!完全に楽しんでるよこいつ!
とりあえず、私も笑顔を浮かべて皆の前に現れる。里美も釣られて笑顔を浮かべる。

「やっぱり、花子の部屋で合ってるじゃーんあははは」
「あはははは何言ってるの里美ー何回もうちに来てるじゃーん」
「そうだもんねーあはは何回も来てるんだから間違ってるわけないかーあはは」
「そうだよーあははは」
「あはははは」
「ははははは」
「………花子」
「はい」
その子誰よ

やっぱそこ触れるよねーあはははは。…触れてほしくなかったな。
由利香と中島は可愛い子だねー外国人かなー?なんて呑気にリドルと会話してる。リドルも笑顔で受け答えする。誰だよこいつ。里美の後ろに立ってる加藤だけは汗を浮かべてる。私だってこの雰囲気を脱したいよ。

「何よあんた隠し子がいたなんて聞いてないわよ」
「んなわけあるか」
「花子ちゃん、この子のお父さん誰なのー?」
「だから、私の子供じゃないんだって」

可愛いねー君ー、と由利香は私の話も聞かずにリドルを撫でながらマイペースに進める。挙句の果てには中島が俺たちに子どもが出来たらもっと可愛いぞ、とか意味のわからんいちゃつきを始めよった。なんなんだこいつらリア充爆発しろ。あ、中島と由利香は付き合ってます。
加藤はこの場にいるのが居た堪れないみたいな顔するし、リドルはにこにこしてるし、里美は絶対私を逃がすまいとするし。どうしようどうしようどうにか言い訳を考えないといけない。けど、混乱してる脳じゃ何も浮かばない。
どうすべきがもやもや考えていると、リドルが張り付いた笑顔のまま口を開く。

「僕は花子さんのお姉さんの友達の甥っ子なんです。物心付く頃から日本の文化に興味を持っていまして、母に無理言って日本に留学して花子さんの処に住まわせてもらってるんです」

なんとまぁつらつらと嘘を並べたもんだ。こんな彼を誰が小学生と思えるか。容姿以外は私より大人なんじゃないのかと思ってしまうくらいに笑顔から喋り方まで完璧だった。本当に末恐ろしい子供だ。
あまりにも綺麗な笑顔と声と紳士的な振る舞いに里美たちは一瞬見惚れてしてまったのか1テンポ遅れて私にあんたお姉さんいたの?と聞いてきた。私は慌ててイギリスに住んでる姉がいるの!なんて嘘をついてしまった。
なーんだそういう事ね!と納得した様子の里美たちはつかつかと家に入る。どうぞとか何も言ってないのだが…友達の特権で許してやろう。
数分しか経ってない筈なのにドッと疲れが来て一息溜息が出てしまう。これから大丈夫だろうか…?

「プリン10個ね」
「え」

リドルは近づき皆に聞こえない声で可愛い事を呟く。どうやら、さっきのお返しはプリンが良いらしい。なんだそれ可愛いなおい。
はいはいと私が答えれば、人差し指を唇に当てニコッと笑いリビングに入る。その一瞬の行動が小学生とは思えない色っぽさが出て、思わず頬を紅潮させてる。畜生!イケメンは罪!
もうこいつは子供なのか大人なのかわからなくなってきたわ…。そんな事を考えながら私も皆がいるリビングに足を進める。


―――…楽しい楽しい宅飲みの始まり。
 


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