「暑いよーなんでこんなに暑いんだよーもうやだー溶けて死にそー」

テストも終わり大学二年目の夏休み突入した。夏休みと言う事で兎に角暑い本気で暑い。本気と書いてマジと読む。

「これ位の温度では人間は溶けて死なないから大丈夫だよ」
「いや、そんな物理的ものではなく、気持ち的な意味だよ?」

余りの暑さにもう動く気力が無くソファーでぐでーんとうつ伏せになっている私の上に乗っかって謎のボケを清々しく吐き捨てるリドルさん。
まるで私をソファーの一部かと思ってるのか、この餓鬼は?結構重いんですけど、息苦しいですけど、暑すぎるんですけど。

「その私にくっつく癖どうにかならんのかね?暑いよ。嫌がらせ?」
「勿論」

なんて素敵な笑顔で言うんだこの餓鬼は。やっぱり、数々の私にくっつく行為は嫌がらせだったのか。そう思うと腹立ってきた。可愛いなとか思った私の何かを返せ!

「というか、リドルは暑くないの?私がこんなに暑がってんのにリドル暑そうじゃないというか涼しそう」
「なんでだろうね」
「………何か怪しい。魔法使ってないでしょうね?」
「ふふふ」

この笑い方は確実に使ってやがる。だっておかしいもん!私はこんなにも汗だくなのにリドルの奴汗一粒も垂らしてないじゃないか。なんでそんなに涼しそうに読書出来るんだよーその魔法私にも教えろよー!

「リドルー言ったでしょー極力魔法使わないってー」
「そんなやる気ない説教されても、説得力がないよ」
「だって暑いんだもーん、と言うか、約束でしょー」
「別にバレないし、家でしか使ってないよ」
「もーバレたら大変なんだよー?」
「…そのいちいち語尾を伸ばす喋り方止めてくれるかい?気持ち悪い」
「うるへー暑いんだもーん」

ここで暮らす中で極力魔法を使わないという約束を交した。魔法がバレると色々ヤバイし、万が一この糞生意気な餓鬼がリドルとバレると更に面倒だ。変な組織に誘拐されるかもしれない。否、いっその事誘拐して貰いたいかもしれない。…流石に解剖なんかされたら可哀想だからそんな事させないけどね。
そんな肝心のリドルさんは本を読み終わったのか新しい本を魔法で自分の手元に収める。

「もう言ってる傍から使ってるじゃーん」
「誰も見てないから大丈夫」
「私が見てるやないか」

花子は特別でしょ?なんてちょっと成長途中だが立派なイケメンボイスANDプリンススマイルで言われてしまった。餓鬼ながら少し顔を紅くしてしまったじゃないか!不意打ち禁止だよ!きっとこの餓鬼の本性を知らない純情乙女はころりと惚れてしまうだろうね。
何度言っても聞かないだろうから、私は諦める事にした。どうせ家の中だし大丈夫だろう!私はまたTVに集中する。おープリンか、美味しそう、あれ?食べたくなってきた、どうしよ。そう言えば、お母さんの仕送りで大量の卵があった筈。

「よし!決めたぞ!」
「うわっ!?い、いきなり立ち上がるなよ!」
「プリン作るよ!」
「突然だね」
「TV見たら思ったの」

私は早速プリンを作るべく、台所に向かった。
ところでプリンってなんだい?と言いながら何故かリドルも着いてくる。目が凄く輝いてる処から好奇心で見に来たな。リドルさん味に五月蝿いから面倒な事になりそう…。大人しく本でも読めばいいのに!

 


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