今朝、TVで見た溶けないアイスが私の目に付いた。水族館の中でも売ってたのか!確かリドルは興味深そうに見てたからこれをあげれば機嫌が直るかも?
なんて単純な事を考えた私はアイスを買うべくリドルの傍を離れた。その数分後にリドルの泣き叫ぶ声に気付く。

「ちょ、どうしたの!?行き成り叫んでから!」
「…花子……?」

目は涙いっぱいにして少し赤みを帯びた表情でそれはもう弱々しく私の名前を呼ぶリドル。え、この子誰ですか?あの生意気なリドルくんなのですか?涙目になってますけど?寂しそうに私の名前呼んでるんですけど?かわいすぎるんですけど?

「うぅー…ック…んっぉ、置いて…いかな…ヒック…ぃでよぉ…花子…っ!」

これは世紀末のデレ期がやってきたのだろうか。泣いてる処申し訳ないが置いてかれたと勘違いしてるリドル可愛すぎるよ。
泣きながら私に抱きつくリドルの背中を器用にアイスを片手で持ち持っていない方の手で撫でてやると素直に体を預ける。
これは本物のリドルなのか?こんな甘えん坊だっけ?どっかのそっくりくんかもしれないよ?いや、まじ可愛すぎ。

「置いていくわけないでしょ、よしよし」
「…ぅっ…ヒックッ…うぅー…ん…っく…花子ー…」

確認するようにリドルは何度も私の名前を呼ぶ。可愛すぎて悶えそう。
そんなに私に置いてかれるの嫌なんだね、そんなに私の事好きなんだね、全く可愛いやつめ。言ったら頬抓りの刑になりそうだから言わないけどね。(学習した)
周りの人たちに迷惑をかけたのでぺこぺこと頭を下げながら水族館を後にした。その間、リドルはずーっと私の足にへばり付く。ちょっと歩きにくいかなぁ。



「全くー、泣き止みなさいよー、男でしょ!私はもうどっか行かないからさ」
「…ヒック…ぅん……」

弱々しく答えるリドル。かなり答えたようだ。ちょっと離れたことに罪悪感を感じる。まさかここまで寂しがるとは思わないじゃん!

「とりあえず、はい」
「あっ」

どうにか機嫌を直すべく、溶けないアイスを渡してみる。流石溶けないアイス、何十分も暑いこの日差しの中だというのに殆ど溶けていない。

「食べながら帰ろうかー」

私は手を差し伸べる。リドルは驚いたように目を見開く。やっぱり手を繋ぐのはだめかな?ちょっと苦笑いしながら言ってみる。
すると、リドルはぷいっと顔背けアイスをぺろぺろ食べる。あ、だめだったみたい、ちょっとお姉さんショックだな、はは。今度は上手くいくと思ったんだけどなー。私は少し涙目になる。

「…ん」
「え」
「…また花子が迷子になると困るから、手…繋いであげてもいいよ」

顔を背けながらだから、今度はリドルの方から手を伸ばす。よく見えないがほんのり頬が赤くなっているのがわかる。ツンデレ復活ですか、可愛すぎるなコノヤロー!!

「ふふっ、ありがとう」
「…別に、探す手間が省けるからね」
「よしっ!夕飯買って帰るかー!何食べたい?」
「花子の料理は不味いから美味しいもので」
「酷くねっ!?さっきのデレは何処行ったし!?」

わちゃわちゃ騒ぎながら私たちは手を繋ぎ、家路につく。
今日はリドルの子供な一面を見れてちょっぴり良い一日だったかな。頬は痛いけどね。

「…美味しい」
「良かったね、食べれて」

リドルは嬉しそうな笑顔でそう呟いた。私も嬉しくなって笑顔で答える。リドルもやっぱり一人の可愛い子供だと実感した一日だった。
 


<<back>>
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -