「リードールーくーん、邪魔ー」
「今テレビ観てる処なんだから邪魔しないでくれる?」
「私は部屋の掃除中なんだけど邪魔しないでくれる?」
「は?あの花子が?掃除苦手の君がどういう風の吹き回しだよ」
「掃除嫌いな私でも流石に三週間も掃除してないと気持ち悪いでしょ。それにどっかの誰かさんは自分が使う場所しか掃除しないからね」
「うわっ、そんなにしてなかったの?考えられない」
「じゃ、掃除してよ」
「いやだ」

リドルが我が家にきて何日か経った。1DKの一部屋を倉庫にしてたから、リドルの部屋にしてあげた。リドルは子供の癖に正論言ってくるし、変に子供っぽくないし、ご飯には文句言うし、自分の部屋しか掃除しない、とにかく我儘という非常に扱い辛い子供というか餓鬼だ。まだ、何日しか住んでないのに我が物顔でテレビを堂々と観てる処からやはり(嫌な方向で)いい大人になるだろう。

「花子!このアイス溶けないらしいよ!」
「……」

こういう子供らしい一面はすごく可愛いとは思うけどね。うん、そんな瞳輝かせちゃって可愛いな本当。アイスかー、今日は休みだしなー…

「リドル、たまには外出てみようか?」

今日は丁度バイトも学校も休みだ。久々に外出したい気分だ。

「えっ」
「リドルの服とかも買わないと行けないし、色々周ってみようか!」

リドルの瞳が一層輝いた。嬉しいんだな、可愛いやつめ。
私の服を借りるのもあれだしな、少し大きいし、自分の服が一着しかないのは流石に可哀想だ。

「……ずっと家もつまんないし、仕方ないからついてってあげる」

なんというツンデレ。子供リドルはツンデレだったのか。この子が本当にあの最恐のヴォルデモートになるとは思えんわ。

「はいはい。それじゃ、準備して行こうか」
「うんっ!」

あんな事言っておきながら、嬉しそうに準備するリドル。喜んでくれたならそれでいいんだけどね。さて、私も準備しよう!…掃除はまた今度しよう←





「…人が凄い」
「わぁーっ!」

とりあえず、最近出来たデパートに来てみた。水族館やら何やら色々或る処。休日だし最近出来たから人が凄い、うぇっぷ。
そんな私を置いて、リドルは嬉しそうに目を輝かせる。あ、目があったらしかめっ面になった。そんな隠さなくてもいいのに、可愛いやつめ。

「一応、迷子にならない為に手を繋いでおこうか」
「は?子ども扱いしないでくれる?そんな事する訳ないだろ」

ツン復活ですか。

「迷子になっても知らないよ?」
「はっ!この僕が?迷子になるわけないじゃないか」

鼻で笑われた、なんというムカつく餓鬼だ。迷子になっても知らない。絶対探してやんない。一人で帰ってやる!

「はぁ…それじゃ、お昼ご飯食べて、服を買って、ぶらぶらして、それから夕飯の買い物して帰ろうか」
「うん」

そして、私たちは建物の中に入る。中は外とは比べものにならないくらいの人混みだ。人口密度高すぎて唯でさえ暑いのにさらに暑い。酔いそう。リドルとは離れすぎず近すぎずの距離を保つ。大丈夫かな?

「リドルー大丈夫かー」
「…大丈夫」

絶対大丈夫じゃないな、これは。早くお店に入ろう。すぐに目についたこの寿司屋なら大丈夫かな?まだお昼の少し前だから空いてるようだ。ここに入ってみる。

「よし!リドル君、お寿司でも食べようか!」

何ヶ月振りの寿司だろうか。流石に一人だけで回転寿司行くのは勇気いるからねー。

「す、し…?何それ」

あ、そか。リドルなんて寿司なんか食べたことないのか。なんか、反応が楽しみだ。

「日本料理だよ。どんなものかは楽しみにしててね」
「なんか、その顔キモいウザい近寄るな」
「本当、酷いなリドルは」

さて、リドルの初回転寿司はどうなることやら。楽しみすぎてやばいな。

 


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