「やった!チェレン倒したぁー!」

学校も終わり、グランドには部活に励む生徒達の声が響き渡る中、私は委員会で残る友達を待つ為、誰もいない教室で一人ゲーム機と睨めっこしていた。
やっているゲームは私の大好きなポケモン。先日発売されたばかりの新作シリーズの"BW2"である。丁度、最初のジムリーダーのチェレンさんを倒したところだ。

「ミジュマルー!ようやったー!愛しておるぞー!ミジュマルー!」

私はDSをスリスリと頬擦りする。もうミジュマル可愛すぎる!大好きだ!

最初のジムとあって油断してギリギリまでしかレベル上げしてなかったから苦戦してしまった。今度のジムは余裕もってジムリーダーよりlv5くらい差をつけとこう。
次はたしかホミカちゃんだね!注目キャラの一人だ!まぁ全員注目してるんだけどね。毒だから…エスパーか地面だよね!誰あげとこうか…。

「ミハルー、DSに頬擦りしてるところ見られたら変人間違い無しだよー」
「平然と人の胸を揉むあなたにだけは言われたくないわ」

人の話を聞かず平然と人の胸を揉むこの子は私が待っていた友達のサヤカちゃんである。何故だが会ったら必ずと言っていいほど私の胸を揉むのだ。

「全くー…どうして毎日毎日揉んでるのに大きくならないのー?」
「知るか!!!もう帰るよ!!」
「私は毎日揉んだら大きくなったんだよー?」
「その情報は本当に聞きたくなかったわやめちくれ」
「お腹の肉はどんどん大きくなるのにねー」
「もう知らない、サヤカちゃんなんて知らない」

サヤカちゃんは美人さんなのにとんでもなく変態さんである。確かにサヤカちゃんは巨乳だ。しかも美人でスタイルも良し。クソッ羨ましいぜ!!
そんな変態さんをほっといて私はさっさと帰る準備していると怒らないでよーと朗らかなサヤカちゃんの声を聴きながら教室を後にした。





「ミハルさんやー、ながら歩行は危ないよー」
「大丈夫って!歩けるんだし!」

私はゲームの続きは気になって、帰る途中でもゲームに夢中になる。それだけポケモン好きやねん!w

「ほらー、○ーしーでもCMしてたでしょーながら歩行やめよう!ってー!事故っても知らないよー」
「大丈夫って!見えてるんだし!」

と強気に言う。うん、切実に思う。この時サヤカちゃんの言うこと聞いておけば良かったと。


「…ちょ、ミハル!危ないって!前!!」
「…え…?」



――…キィイイー!!



「!!」

私の体に強い衝撃が走る。歩行者用の信号は赤だったのだ。

あー私の人生なんて儚いんだ。でも、変態だけど大好きな友だちと大好きなポケモンしながら死ぬなんて本望なのかもしれない。あ、でも彼氏一度も出来ないまま死んじゃうのか…それはそれで哀しいな。なんつて。ははっ。
なんて呑気なこと考えているとサヤカちゃんが私の名前を呼ぶ声を聞きながら少しずつ視界が真っ暗になっていく。

私が事故に遭ってしまった事を嘲笑うように信号は真っ赤に光っていた。



(良い子はゲームしながら歩いちゃだめだぞ!)
 


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