どうしてこうなってしまったのか。つい数分前までの私はそれはもう幸せだった…。
まぁ坂井にDS没収されたり、伊藤にパシられたりと幸せかどうかはちょっと怪しいが、沙織ちゃんと過ごした時間はそれはもう幸せだった。
今はさっきの時間が嘘みたいに絶望しかない。限定品のフィギュアは盗られ、挙げ句の果てには強制的に部活に入らせられるなんて…――
どうして平凡且つ地味な私が魔王様に目を付けらr「そんなホラ吹いてる暇あったら入部届け記入してくれないかなぁ????」はーい♪うん、魔王様怖い♪

「書きました♪」
「よし、じゃ俺がこれ預かっとくね」

上機嫌な魔王様は何処からか印鑑を取り出し、入部届けに押した。
うん、あの印鑑見たことあるぞー、確か棚の上に置いてあった筈なんだけどなー。

「お隣のお母様がくれてね」
「真二ママ、いくらなんでもそれはおかしいよ、わけがわからないよ」
「そんな事どうでもいいだろ?」

魔王様はそれもう綺麗な笑顔で私に言い放った。もうどうにでもなりやがれってんだい!
よし!と魔王様は唖然としていた部員達に声を掛けると、さっきまで口をポカンとしてた阿呆面してたなんて嘘みたいに部員達は一斉に魔王様に視線をやる。流石魔王様だ。

「いい加減、蜜柑に魔王様呼ばわりされたくないからね、自己紹介でも始めようか」
「あの、…沙織ちゃんたちは…救われるんですよね!?大丈夫なんですよね!?私がマネージャーをやれば、沙織ちゃんたちは無事だよね?」
「フフッ!それじゃ、誰から行こうか!」
「え、まさかの無視!?」

ナチュラルに心読む上に、沙織ちゃんたちの命の保証もないってんだい!っく…流石魔王様…卑怯な手を使いy「あ゛ぁ?」きっと心優しい魔王様なら大丈夫だ!よかった!沙織ちゃんたちが魔王様の手の中で!ひゃっほーい!

「蜜柑ったらー、フフ、嬉しいこと言うなぁ、俺の名前は幸村精市で、魔王様じゃないよ?ん?」
「はい!!!仰せのままに!!!」

ん?が怖いです!ん?が怖すぎます!!幸村様!そんな素敵な笑顔なのに周りのオーラがドス黒いです!!

「幸村様だなんて、堅苦しいよ。精市って呼んでもいいんだよ?」
「いえ!恐れ多いです!!敬意を持って幸村様と呼ばせてください!」
「もー、フフ、仕方ないなぁー」

なんでそんなに上機嫌なんですか?きっと周りの皆が思うことだろう。そんな私たちにお構いなしに幸村様は自己紹介を進めていく。

「じゃ、次のページからどんどん行こう!」
「発言がメタいです!!」


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