皆さん、こんにちは。只今4限目に入り理科の授業を受けています。クラスの皆は真面目に先生の話に耳を傾け、コツコツといい音を立てながら書いていく黒板の文字をノートに書き写している。
が、私は授業を受ける暇等ない。今まさに、沙織ちゃん隠れ真・ハッピーエンドに向けての選択肢に悩んでいるのだ。これで何週目か…メインヒロインだけあって選択肢も豊富で悩まされることが多かった沙織ちゃんルート。
やっとこさ最後の選択肢までに辿りついたのだ。ここで一つでも間違えれば最初からになってしまう。この3日間徹夜した私の努力が水の泡。
セーブはしないかって?私のプライドにかけてギャルゲーはセーブはしない!ギャルゲーは一本勝負!これはヒロイン達に対してのけじめでもある!
私は震える手で、上から4番目の選択肢を選ぶ。その選択肢の答えは…―――

よっしゃああああ!!隠れ真・ハッピーエンドルートキター(゚∀゚)―!!!

あまりの喜びに思わず立ち上がる。これ奇跡なんですけど!?あと5周はしないといけないと思ったけど!ああやっていけるのね!!やだ、嬉しすぎて涙が…!!

「藤堂…」
「あ?」
「あ?じゃねーよ」
「あだっ!…坂井先生、じゃないですかーなんですかー?」

もう一度言います。今は理科の授業を行っています。あ、坂井先生が理科の先生だよ☆

「紹介ありがとう。今なー俺の授業妨げる奴が居てなー」
「誰だ!?坂井先生のとっても楽しくて分かり易い授業を妨げるのは!?」
おめぇだよ

先生ー、文字赤いのに表情が黒いですー怖いですー。

「はーい!静かにゲームしまー「取り敢えず、それ没収なー」ちょ!それはないっすわ!それないと私死にます!発狂して授業どころではなk「なら、廊下で発狂してようなー」すみません。真面目に授業受けます」

先生はそれはもう気持ちのいい笑顔で教卓に戻る。私もクラスの笑い声を浴びながら自分の席に座る。そんな哀れな目で見ないで香穂。糞ぉ坂井覚えてろよ!いつか絶対仕返ししてやる。
今はそれところではない。やばいよやばいよやばいよやばいよぉ。今日は真二の処行っててギリギリだったから漫画持ってくるの忘れたし、私の前には教科書しかない。これはやばいよぉ本当に発狂しちゃうよぉ?

「はいはい。発狂したいなら廊下出てようなー
「うぉ…っ!?ま、まさか…坂井先生、読心じゅ…」
「使えるわけ無いでしょ、蜜柑全部声に出てたよ?」
「あ、なーんだ!てっきり使えると思ったじゃーん!先生のイ・ケ・ズ☆」
「なんかムカついたから、廊下行き」
「え、ちょっ!?何持ち上げてるの!?いーやーだーはーなーせー!」

先生は軽々と私を持ち上げては廊下へと足を進める。私は廊下行きだけはどうにか阻止すべき抵抗をするが無駄に終わる。先生は私を廊下に向けてポイッとゴミを捨てるように私を投げ、理科室に戻る。
これでも一応女なんだから優しく扱ってよ!これだからいつまでも独身なんだよ坂井やろー!もう私のぷり尻が痛いじゃないかー。…仕方ない。寝るか!

「…藤堂」
「ん?」
どこから布団を取り出した
「四次元ポケットです!(`・ω・´)」
「マジでか!?って、阿呆か。授業終わるまで立っとけ」
「えー」
「そうかそうか、単位が要らないんだな
「イエーイ!廊下に立てるとか、マジ嬉しいすんけど!?先生最高だわ!!\(^o^)/」

先生はまたいつの間にか理科室に戻っていた。私の単位はどうなるんだろうか。卒業できるのだろうか。一生中2だなんて…なんて最高なんだ!なんつて☆
ま、どうにかなるだろう!妄想でもしとくかっ!

 


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