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遊星×ショタ
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 どこかで拾ってきた椅子は今にも分解してしまうのでは、と疑いたくなるほどにボロボロだ。しかしそれなりに使っているにも関わらず案外丈夫なそれは、俺と、俺の膝に座る十夜の体重をしっかり受けとめている。椅子と同じく古くさい机に置いたデュエルディスクを調整している俺の膝の上で、十夜はただぼんやりとそれを眺めていた。機械弄りに興味のない彼がこんなものを見ていて楽しいかは分からないが、時折欠伸をしながらも黙っている。ちなみに言えば、俺は十夜に触れながら機械を弄っているので非常に楽しい。

「ゆーせー」

 ふわぁ、とまた彼が欠伸をした。眠いのか甘えたいのかどこかねだるような声で呼ばれて手を止める。俺の胸に後頭部をくっつけ見上げた十夜の頬を汚れていない手の甲でさすると、彼はくすぐったそうに肩を竦めた。大きな瞳が細められまるで子猫のようにじゃれる姿がたまらなく可愛らしい。ゆるりと伸びた細い手が俺の頬に触れる。やわやわと感触を確かめるように動く度に、十夜が着る大きめのシャツの襟元や、袖口から素肌が覗いた。

「へへ、遊星のほっぺた、柔らかい」

「……十夜」

「ん?」

「手を、下ろすな」

 俺がその白い肌に欲情していることに気付かぬ十夜は不思議そに目を丸くして何事かを言おうとしたが、有無を言わせず胸元へ手を這わせた。ひくりと弾む腕が出された指示を守るために俺の首の後ろへと回される。両手を上げ無防備になった十夜のシャツを捲り上げ口元に持っていくと、彼は不満気に唸りながらもそれを口に咥えた。

「偉いな、十夜」

 顎を持ち上げこちらを見上げる瞳は如何にも文句があると言わんばかりだ。しかしシャツを咥えているため顔を揺らせば白い胸が更に露になる。結果としては俺の喜ばしい結末だ。

「んっ、く」

 外気に曝された乳首を指の腹でなぞると十夜が息を飲み込む。柔らかかったそれは何度か指を往復させると次第にぷくりと膨らみ、硬くなった先端を親指と人差し指で挟むように擦ると、膝の上に座る少年の腰が揺れた。恐らくこの先に与えられる快感を体が覚えているのだろうが、それにしても卑猥な光景だ。
 両手で同じように薄っぺらの胸を揉んで、しばらくすると十夜が頭を振る。首を傾けて窺った彼の顔は耳まで赤くなっていて、唾液で色を変えたシャツを懸命に噛む唇が震えている。

「ゆぅ……ん……んんっ」

 俺の名を呼ぶ前に、丸い頬を撫で手を腹へと滑らせる。柔らかい腹はやはり細くてもっと食べさせなくてはと思うものの、泣きながら「もう入らない」と叫ぶ十夜の口に無理矢理、むしろ興奮すらしながら食事を詰め込む鬼柳ほど、俺は非情にはなれない。
 どうやって物を食べさせようか考えながら、短パンのボタンを外しファスナーを下ろした。黒い下着が頭を持ち上げた性器に押し上げられていて、その先端の僅かばかりが濡れている。より深い黒に変わった場所を指でさすると十夜の体が大げさなほど弾んで、邪魔な短パンと下着を脱がせると、布が擦れる感触に細い体がひくりと震えた。先走りにぬめる性器を擦りながら俺が膝を開くと、その上で跨っていた彼の足が更に大きく左右に開かれる。

「んく、ふぁ、ふぅ、ぁふ……ぅん……」

「……シャツ、放していい」

 性器に指を絡めると途端に息を荒げた十夜にそう言ってやる。やはり可愛い声が聞こえないのは寂しい。ようやく力を緩めた口からぱたりとシャツが落ちて唾液が伝った。吐息ばかりの喘ぎは擦れている。
 そろそろ俺も興奮を隠すのが辛くなってきたので体勢を変えようと肉のない太ももを撫でたとき、不意に首の後ろに回っていた腕が外された。

「遊星……その、俺……」

「どうした?」

 顎を持ち上げ困ったような恥ずかしいというような表情を浮かべる十夜が俺の髪を撫でる。言おうか言うまいか俊準したのちにようやく開いた口から出たのは何とも可愛いセリフだった。

「こ……この格好、遊星とちゅーできないから、イヤだ……」

 頬だけにとどまらず耳や首までを赤く染めながら放った言葉に、たとえ雀の涙ほどでも俺に理性が残っていたのは奇跡に等しい。
 直しかけのデュエルディスクを払い除けた机に少年の体を押し付けのしかかる。まだ解してもいない場所に唾液で湿らせた指を押し込めると、突然視点が変わったことに付いていけず目を白黒させていた十夜がひっと声を上げた。体内を掻き回される感覚に体を強張らせている少年の唇を出来るだけ優しく啄む。荒くなってしまう呼吸をどうにか押さえようと彼の下唇を甘噛みすると、頬を赤らめたままの少年は嬉しそうに微笑んだ。


 ぐちゅりと音を鳴らしながら内壁を擦ると十夜が喉を反らす。痛い思いはさせたくないのでどうにか平静を保ちながら解した場所に、今は指ではなく性器が押し込められている。両者とも既に汗でシャツを湿らせ熱を持った呼吸を繰り返しているので、まるで獣のようである。

「ゆぅせ、ゆう、せぇ……っ」

「十夜……可愛い……」

 俺の腰に足を絡め背中に腕を回し必死で縋りつく彼の姿に、今まで考えていた何事かは最早頭の片隅にも存在していなくて、俺は小さな唇に吸い付きながら腰を打ち付ける。十夜の体を押し上げる度に口付けの合間から声が漏れ、その微かな吐息ですらも奪いたくてまた唇を寄せる。俺を包み込む体内熱くて狭くて考える力がなくなって、ただ十夜を愛することが全てのように思えた。

「ァ、あぁ、あっ、ゃ……ぃ、ちゃ……!」

 間近にある濡れた瞳が俺に限界を訴える。言葉を発するのさえ今の俺には困難で、俺のシャツに擦られていた彼の性器をぐちゃぐちゃに揉みしだく。腰に回る足に力が込められて、ジャケット越しに背中を引っ掻かれた。

「んッ、んんっ、ん……っ!」

 塞いだ唇から流れ込む声が愛しい。俺の手の中にとろりとした液体が流し込まれたのでそのままゆるゆると扱いてやるときゅうと中が締め付けられた。手の動きは止めぬままに息と共に精液を吐き出す。余韻に体を震わせる子供はぐったりと力を抜いて大きく胸を上下させていた。俺も似たように息を荒げながら、しかし深呼吸することで興奮を落ち着かせていく。
 ずるりと性器を抜くと十夜の眉が悩ましげに寄せられて、俺はまた興奮しないよう、なるべく意識しないように少年の額にキスをした。



「遊星のエッチ」

「すまない」

 体を拭いてやりながら、拗ねたように唇を尖らせた十夜に謝罪する。エッチですまない……なんだか滑稽な話だと思ったが、笑えば彼はまた拗ねるため黙っておく。

「遊星、何回もするんだもん」

「ああ……十夜が可愛くて、つい」

 あのあと2回続けてしてしまったことが気に入らないんだろうか。確かに前に回数を減らして欲しいと言われたが、だからといって減らせるわけがない。

 大体膝に乗り素肌を見せて煽る方が悪いと思うのだが、これを言うと彼は素直に椅子や床に座り服を着こむだろうから黙っておく。それは俺の楽しみでもあるからだ。

「……次は気を付ける」

 気を付けるだけ、だが。あえてそれは言わずにおくと少年はぱっと笑って、ならいいよ! と頷いた。拗ねてみせても決して怒らない辺り嫌というわけでもないのだろうが、それでも彼の体には負荷が掛かるのだから少しは控えるべきなのかもしれない。

 クロウの「お前ら絶倫だからなぁ……」といういつか言われた言葉を思い出しながら、俺の膝に体を預け甘える十夜の背中を撫でた。

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