言葉責め
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「いやだ、やだ……っ」
涙混じりに叫ぶ俺の声は自分で想像していたよりもずっと哀れで情けなかった。首を振り身動ぎしようにも適わず、何度も繰り返し行為の中断を訴える。その度に彼は「ワガママを言ってもダメだよ」と俺をたしなめ、聞き分けのない子供にするように「全くキミは困った子猫ちゃんだね」と囁いた。
ずるり、と体内を擦られる感覚に背が浮いた。頭上でベッドに縫いとめられた両手首が軋んで骨が痛む。たいして柔らかくもないのに限界まで左右に広げられた足がひくりと痙攣した。人のことは無遠慮に全裸にするくせに、俺の腹の上に跨る吹雪先輩は服の乱れも一切ないまま笑っている。室内でただ1人裸となった俺の存在こそが、異質で変質なのだと知らしめられているようだった。
「ひっ、ぃ、ぁ……!」
「うん、やっぱりキミの中は気持ちいいね。ここ、僕のおちんちんをおいしそうに飲み込んでいるよ?」
「やだ、ちが……ちがうぅ……」
まるで俺の体がいやらしいとでも言いたそうな口振りだ。懸命に首を横に振って否定したところで吹雪先輩はおかしそうに笑うばかりで俺への辱めは止まらない。羞恥に打ち震える俺を見下ろす彼が「違わない」と、いっそ冷たさすら覚える口調で一蹴する。
「ほら、キミはここが気持ちいいだろう? お尻の中とおちんちんを擦られて、幸せだよね」
「んっ……あ……せん、ぱ……やぁ、だぁ……」
「嫌じゃない。見てごらん、おちんちんがもうカチカチだ。イカせてほしいかな?」
「んんっ、や、やだぁ……」
腰を揺すられると尻の中のものが容赦なく内部を抉る。敏感な場所をあますことなく捏ねられ、小さな快感も貪欲に拾い集める俺の喉からは甘ったるい嬌声が漏れた。耳元では「強情なところも可愛いよ」と、低い声が囁いている。体の力が抜けて、そうすると吹雪先輩の性器が奥深くまで入り込んだ。目の前が一瞬白くなる。天井の映る視界はボヤけて吹雪先輩の顔が滲んでいた。全身がぞくぞくして、もう、限界だった。
「ふふ……ほらね。嫌じゃないだろ?」
綺麗な顔が近付いて笑う。俺はただ頷いて、身も心も彼が奪い去るのを待ち望んでいた。
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100412