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幼馴染
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 シャワールームに連れ込まれたのはほんの数分前のことだが、その数分で俺は全身ずぶ濡れになり、あまつさえ床に膝を付いてローの足に縋るようにして股間に顔を埋めていた。性欲処理のために呼ばれることはままあることだが、シャワールームでの行為は辛かったり恥ずかしかったりするので俺は今大層ビビっている。

「ヘタクソ」

 強引に引き倒して頭を押さえつけナニを口に押し込んだくせにその上まだ辛辣な文句を付けるのだからローはほとほと性悪である。元よりフェラなんて初めてローにイラマチオさせられるまで経験がなかったのだから仕方ない。歯を立てないよう舌と唇で刺激出来るだけ上達したと褒めてほしいくらいだ。

「チッ……全然イけねェよ」

 前髪を鷲掴みにされ口からソレが引き抜かれた。俺の唾液でべちょべちょに濡れた肉の塊が口からデロリと出ていく様はエロいというより最早グロい。それを言うと殴られるためもちろん俺は何も言わない。

「もう手でいい。先だけしゃぶって手でコキやがれ。おれの目を見ながらな」

「え、み、見るの? 流石にそれはちょっと恥ずかしいっていうか……」

「あァ? 文句あンのか」

 座り込んでいた俺の股間に、全裸のローの素足が乗る。ツナギの上から容赦ない圧力がかかり始めて俺はカエルのように無様に呻いた。「待って分かったやる、やります! やるから痛くしないで……!」逆らえば本当に辛くて痛いことが待っている俺に拒否権は存在しないのである。必死に訴えていると湯が出しっ放しのシャワーを顔面に当てられて呼吸出来ない苦しさにゲボゲボ情けなく咳込んだ。言うことを聞いてもこれだ……。

 涙だか鼻水だか涎だか湯だか分からない液体で顔も体もびしゃびしゃになりながら、俺は言われた通りローのアレの先を口に含んだ。奥まで咥え込む必要がないだけフェラよりは楽だが、両手で竿を擦りながらするとなると虚しさばかりが募る。

「こっちを見ろ」

 返事、といつもの号令が掛かり、あいはー、とマヌケな返事をする。見上げたローの顔は真っ直ぐ俺を見下ろしていて、股間を踏まれながら男のナニをしゃぶっている姿を見られていると思うと、目を合わせるのが恥ずかしくてたまらなかった。
 吸い付いて、舌で亀頭をぐりぐり舐める。親指で強く裏筋をなぞるとソレはピクンと生き物のように震えて、ローの口から吐息が漏れた。色っぽいな、と思ってしまう。こんな下手で拙い奉仕で、尊敬してやまない幼馴染が気持ちよくなっているなんて信じられない。耳の後ろと心臓がうるさいくらい脈打っている。

「リズ、おれのチンポは美味いか?」

 段々思考能力が低下してきている俺はバカみたいに頷く。ローは機嫌良さそうに笑った。

「イイコだ……てめェもヨくしてやるよ」

 ローの手の平が俺の頭を撫でた。本当に犬になった気分だ。唾液の溢れる口内で先端をじゅるると音が鳴るほど吸って手の動きを早める。色を含んだ吐息を漏らすローの足に力が込められて、俺の股間をずりずりと上下した。痛みを感じる直前の、タマがキュッとなる圧迫感に頭の奥が痺れてくる。無遠慮な刺激に震えているとローの手が俺の後頭部に回った。俺がはっとして口を離すよりも早く、じゅぶ、と喉の奥まで肉棒が押し込まれる。喉奥を突かれてえづきそうになったがそれすら出来ない。頭を強引に動かされ何度も何度も奥まで突かれしゃぶりつく。下腹の圧迫も増して痛いはずなのに、もうどこが痛くて何が苦しいのかも分からず、ただ口と下半身がじんわり痺れて気持ちよかった。

「はァ……出る……ッ」

 頭を押さえ付けられたままローの腰が震えた。喉の奥に生暖かい粘液が流れ込みむせることも出来ない。当然のようにそれを飲まされた俺は虚ろながらもローの目を見つめ、何とかそれを飲み下した。もう味なんて分からない。

「んぐっ……ひっ……」

 引き抜くことなく頭を押し付けられたまま、幼馴染は身を屈めて手を伸ばした。足を退け、ツナギのファスナーを開け、中でガチガチに硬くなっているアレが握り込まれる。痛いくらいの力で握られ何度かシコられると目の前が白く光って、俺はローの肉棒をしゃぶったまま、彼の手の中に精液を吐き出していた。




「許可なくおれの手にきたねェザーメンぶちまけるとは、随分偉くなったじゃねェか。なァ?」

 許可なく人の口に出した男がよく言うよ……などと言えるはずもなく、俺はただただゴメンと謝罪する。まさかあのままイかせてもらえるとは思ってなくて、正直な俺の体は不意に訪れた快感に勝手に射精してしまった。
 絞れるほどに濡れたツナギを脱ぎ捨てて、未だシャワールームから出ていかないローを横目に見る。真っ直ぐこちらを見つめている。

「あの……俺このままシャワー浴びるよ」

「ケツの中も洗え。あとで使う」

「え、だって今、」

「返事は」

「ア、アイサー!」

 まだヤるのかよと心の中で突っ込んで、それから渋々頷いた。ろくに食べないしろくに眠らないし体だって俺より細いのに、うちのキャプテンは盛んだ……言うことだけ言って出て行った背中を見送って、俺は仕方なく自分の尻に手を掛けた。

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120815