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研究員の話
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 彼らの指示に従い行き着いた場所は広大な地下施設だった。どこかの駐車場へ続くその地下通路には他の人影はなく、恐らくここは何者かが秘密裏に行動する際使用する場所なのだろう。誰が使用するのかは興味がないので聞かなかったが、駐車スペースに駐車していた何台もの車が全て高級車だったので想像にはそう難くない。
 名前も知らない黒塗りの車に積み込まれたまま、外の景色が映らない窓を見詰める。スモークが張ってあるのは現在地を知らせないためか。外からも車中の様子は見えなくなっているに違いない。
 方向感覚をなくすために何度も駐車場内を右往左往していた車は、やがて目的地に向かいはじめたらしい。防音処理もされているため外の情報は一切なかったが、時折丸藤亮が到着までの時間を教えてくれた。

 最後に丸藤亮が呟いてから約5分後、車が止まりエンジンの音が止んだ。ドアが開いて隣に座る吹雪さんが降り、俺もそれに続く。そのあとに丸藤亮と、助手席からは藤原優介が降車した。

「お疲れ様、十代くん。ここが僕たちの研究所だ」

 そう言われ周りを見渡したが、既に施設内駐車場にいるため辺りはただのコンクリート壁しかない。吹雪さんに促され『STAFF ONLY』の札が掛かる扉をくぐる。中はどうやらエレベーターのようだ。丸藤亮が内部の小型モニターの前に立つと網膜でも認識したのだろう、ピッと電子音が鳴り扉が閉まった。同時にフロアを示すボタンにライトが点灯して、男は悩むことなくB3のボタンを押した。

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