主×清光+長谷部の3P?
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今日の第一部隊隊長は俺、つまり近侍も俺である。主がため、命を遂げんと意気込む俺が主の部屋へ赴くと、そこには既に先客がいた。
通常、我々は主の部屋には入らぬよう言いつけられている。時の政府という組織の手足となり尽力する主には知られてはまずいことも多々あるであろうし、そして道具である我々刀剣も、そのようなことを知ったところで何の意味も興味もない。ただ唯一、主が部屋にいらっしゃる場合に限り、近侍のみがそこへ足を踏み入れることを許された。
それが、何ということだ。今日の近侍は俺だというのに、主の部屋には加州清光がいるではないか。しかも奴は衣服すら纏っていない。全裸の加州に覆い被さるようにして乳へ唇を寄せる主の姿を目の当たりにして、一瞬頭の中が白くなった俺を誰が責められよう。
「何ジロジロ見てんの? 入るなら入るで、さっさと襖閉めろよ。寒いんだけど」
加州の鬱陶しそうな声が言う。寒いというわりに額にはじっとりと汗が滲んでいて、妙に白い肌には汗が流れていた。俺の視線に気付いた奴は嫌そうに身をよじったが、それで何が隠れるというわけでもない。畳の上に膝をつき襖を閉めてよくよく見てみれば、主の手の中には加州の男根が握られていて、何やら濁った液体までもがまとわりついていた。いつから始めていたのかは知らないが、今丁度、一区切りついたところなのだろう。
「主……大変失礼しました。しかし何故加州が……近侍は俺のはずでは」
「だって俺、遠征部隊の隊長だし〜。それに主は、俺の乳首大好きだもんね♥」
主が口を開くより先に加州がそう答える。お前には聞いてないと睨めば、奴はにんまりと笑って主の首へ腕を回した。安い挑発だが、腹は立つ。
「申し訳ありません主、致しているとは知らず……出直しましょう」
知らぬとはいえ主の情事を覗いてしまったのである。若干の罪悪感を持ってそう提案したのだが、当の主は何も気にしていないという表情である。首にぶら下がる加州をくっ付けたまま体を起こし、奴の細身の腰を腕で抱えた。近侍でもない癖に、主と肌を密着させるなど……嫉妬で思わず眉間に皺がよる。
「気にするな。それより長谷部も交ざるといい」
「はっ……主命とあらば」
「ちょっ、俺は嫌なんだけど!?」
ギャンギャン騒ぐ加州は無視して俺は主の方へ近寄る。
「主……服を脱いでもよろしいですか?」
「ああ。命令だよ長谷部。この場で全裸になりなさい」
「はっ!」
丁寧で、穏やかな、それでいて拒否を許さない確かな声だった。その声で下される主命は甘美で、例えようもない悦楽が俺の脳髄を焼く。手早く衣類を脱いで畳み、邪魔にならぬ場所へ置くと、主が俺を手招きした。俺は忠犬のように即座にそれに従い隣へ座る。
「乳首を吸わせておくれ、長谷部」
両手を後ろに回し、胸が主の眼前へ来るよう膝立ちになる。命を下された興奮、そして羞恥と期待に乳首が硬くなっていくのが自分でも分かる。しかしそれを顔には出すまいと拳を硬く握った。
「どうぞ、主。この長谷部の乳首、お気のゆくまま堪能ください」
仰々しく告げる俺に、主が笑った。
「なにお前、チンポ勃ってんじゃん。主命とか何とか言ってさぁ、乳首吸ってほしくて主の部屋に来たんじゃないの?」
「そ、れは……貴様だろう……!」
剥き出しになった乳首を主に吸われている俺に、手持ち無沙汰な加州はやたらと絡んできた。屹立している俺の陰茎を指先でつついては「やば! めちゃくちゃ固いじゃん」などと笑っている。主にされることはあれど、こいつに辱めを受ける謂れはない。しかし反発しようにも体を動かせば主に窘められるため何も出来ない状態である。胸の上を熱い舌がゆるりと往復する快感と、悪戯に陰茎を撫ぜる指のもどかしさ。じりじりと、下腹部に熱が蓄積されていく。
「長谷部の乳首は小さくて吸いにくいな。自分で気持ちよくして、大きくしなさい」
「は……主命、とあらば……」
舌先で乳首を嬲る主が上目遣いにそう言って、俺は息も絶え絶えに応答した。言われた通り自らの体に快楽を送るため、すっかり勃起している陰茎に手を添える。軽く握り込んで上下に擦るとじくりとした気持ち良さが走って、思わず唇を噛んだ。目ざとくもそれに気付いた加州がにんまりと笑う。
「手を抜くなよ長谷部。気持ちいいのはこっちじゃん?」
「あっ……き、さま! やめ……っ」
加州の手の平が俺の手を握り、より刺激に弱い亀頭を集中的に、幾度も手を往復させた。自分で擦るときと違い他人の手は容赦がなく、しかも主以外に興味のない男がやるものだから、握られた亀頭が揉みくちゃにされて膝が震える。強引に扱かれ溢れ出した体液が、俺の手の中でネチャネチャと音をたてた。呼吸を乱してはならない。主の命令は乳首を大きくさせること。胸に目を落とすと俺の乳首は陰茎からの刺激でしっかり勃起していて、まるではち切れんばかりに膨らんでいる。
「よくやった、長谷部。おかげで吸いやすいよ」
「んっ……お、お喜びいただけたなら、何よりです……」
呼吸を繰り返す度に胸が上下して、それに合わせるように主の唇が軽く、何度も乳首へ吸い付いた。乳首が、陰茎が、熱くしこっているのを痛いほどに感じる。そんな場所を他人に扱かれ舐められて、快感を顔に出すなというのは難しい話である。気を抜けば加州の手に精を吐き出してしまいそうだったがそれは何とか避けたくて、主の満足気な表情を見ながら腹に力を込め堪える。
「ねえ主、俺も……俺もしてよ……興奮してきちゃった……」
今まで散々人の陰茎を弄んだ男が痺れを切らしてそう言った。そもそも貴様は近侍ではないのだからさっさと出て行けと思ったものの、俺の手を離した加州の手が、今度は自分の陰茎に手を這わせているのを見てギョッとする。何に興奮したのか知らないが奴のそれも緩く半立ちになっていた。更には扱くとすぐに上を向いて、あろうことか、それを主の手に擦り付けはじめたではないか!
「おい貴様っ……主の手に、なんという無礼な……!」
「いいんだよ長谷部。……さあ清光、待たせたね。お前も気持ちよくしてあげような」
「あ……して……可愛がって……っ」
主の手が加州の陰茎に伸びた。舐めるように根元から先端を撫でる主の骨張った指から目が離せなくなる。あの指で、先ほどのように俺を追い詰めていただけたら。そんな考えが脳裏に浮かんでは消えていく。加州の手はとっくに俺の手から外れているというのに、俺は自らを慰める手を止められなかった。加州を嬲る指が、乳首を吸う主の唇が、亀頭を擦り続ける手の平が、全てが全て俺の頭を焼いていく。空いている腕を思わず主の背に回すと、主の腕が俺の腰を抱き寄せた。主の体がすぐ近くにある。恐ろしくなるほどに心臓が脈打っている。全身に力が入って身体中の筋肉が強張りはじめた。熱を吐き出したい。荒い呼吸が自分のものであると、顎を流れた唾液ではじめて気が付いた。
「あっ、あるじ……っ! 申し訳ぇ……ありま、せ……!」
「長谷部、命令だ。我慢せず、空になるまで全部出しなさい」
ゾクッと背が震えた。溜まり溜まっていた熱が出口を求めて渦を巻くようだった。喉の奥で声を噛み殺すので精一杯で、聞くに堪えない唸り声をあげてしまった。勢いよく先端から溢れ出した白濁とした体液が、俺の指の合間を縫って畳へ滴っていく。二度、三度と陰茎を扱けば、のこっていた僅かな液体もが手へと絞り出された。
胸で息を切り荒い呼吸を繰り返していると、隣の加州もまた達したようで、まるで女のそれのように喘いでいた。主の手に体液を放ち腰を揺する加州が俺の視線に気付いて、頬を上気させたまま眉間に皺を寄せる。裸を見るな、ということなのだろう。
「2人ともお疲れ様。茶でも淹れてくるから、待っていなさい」
「主、そのようなことは俺がやります……!」
すぐさまそう返した俺に優しく微笑んだあと、主は俺を手で制して部屋を後にした。俺たちの欲ばかりを解消して、主への奉仕は何一つ出来ていない。あまつさえ主に茶を淹れさせるなど、もはや近侍としてあるまじき失態である。せめて畳に垂れた体液くらいは何とかしようと、常備している服からハンカチを抜き汚れを拭き取った。部屋の換気、そして手早く自分の服も身にまとい整えておく。
そんな俺を横目に見る加州もまた、言葉もなくシャツを羽織り、俺たちは互いに黙ったまま主の戻りを待ったのだった。
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150404