売りの話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
掛け布団に覆われた下半身から僅かな水音がしている。人が一人横になっているだけにしては不自然に盛り上がったそれを見たくなくて目を瞑っていたが、感覚だけは消し去れずにいる。
眠りにつこうと集中していても流石に下腹部を弄られている状況では難しくて、諦めてなすがままにされていた。
仕方なく掛布をめくると足元に蹲った青年が、やや蒸気した顔でこちらを見やった。
「んむ……寝ねーの?」
「寝れるわけないだろ、この状況で……」
レロ、と僕の性器の根元から先端までを舌で舐めながら彼が笑う。状況が状況でなければ可愛らしい笑顔だが、緩やかに頭を持ち上げる性器とのツーショットではとても可愛いようには見えなかった。
「お兄さんって体もデカいけど、チンポも結構デカいね。顎外れそう」
ここで外さないでくれよ、と思いながら僕はそのツーショットから目を逸らす。柔らかい舌が絡みつく感覚が余計に生々しく感じた。
「じゃ……いただきまーす」
おどけた口振りで青年が言って、先端に口付けたあと、そのままゆっくりと僕の性器を口腔に収めていった。温かい粘膜の中にぬめる舌があって、先端と裏側を撫でていくのが分かる。頭を軽く前後に揺すりながら吸い上げられると思わず息が漏れた。
歯が当たらないよう口を窄め、そのまま唇で性器の半ば辺りを喰む。サイズの問題で入りきらなかった根元の部分は、青年の指がゆっくりさすっていた。ややもすると、行為を拒否していたはずの僕の性器は完全に立ち上がってしまった。
「うっ……」
舌先で先端の窪みを執拗に舐められるとつい声が出てしまう。それが良かったのか、青年は重点的にそこを攻めた。徐々に漏れ始める液体を青年の舌が舐めては飲み下していく。
自己申告通り、フェラチオは得意なようである。
「……体勢、変えてもいいかな?」
僕の口からそんな言葉が飛び出したことに自分でも驚いたが、青年は何も言わずに唇を離した。僕が指示するとその通り、枕に頭を乗せて仰向けに寝てくれる。
子供にいいようにされて、ほんの少しばかり、僕の加虐心に火が付いてしまったのだ。
「口を開けて……少し酷いことをしてもいいかい……?」
「……スカトロ以外なら」
念のため承諾をとって、僕は彼の胸元に跨った。暴れられてもいいように彼の腕を膝で押さえ、頭に手を添える。イラマチオをされるということに気が付いたらしい青年は一度僕の顔を見上げたが、文句らしい文句は言わずに口を開けた。
伸ばされた舌に擦り付けるようにして性器を口に押し込む。先ほどまで咥えていた場所よりもっと深く、喉の奥まで腰を進めるとややザラザラした感触の肉壁に先端があたり、青年が苦しそうに微かに喉を鳴らす。彼が苦しむと、喉の奥が性器を締め付けて心地よかった。
「ああ……上手だね」
頭を支え髪を撫でながら青年に声をかける。押さえつけた彼の喉奥に性器を押し付けるたび、ボヂュ、グボ、などという汚い音が響く。時折嘔吐を思わせるような激しい嗚咽もあがった。
涙と鼻水と唾液で汚れ、苦しげに眉を寄せる青年を哀れに思うより強い興奮が僕を支配していた。喉を圧迫されてはつらかろうという気遣いすらどうでもよくなるほど、既に自制は利かなくなっている。動物のような短い呼吸を繰り返しながら青年の喉を穿ち、体内にわだかまる熱を解放したくてたまらなかった。
「くっ……このまま、出すよ……っ」
否応など聞く気もなかったが、彼は依然苦しそうに目をつぶり拒絶をしなかったため、僕はそのまま、彼の口内に白濁を吐き出した。青年の喉に直接精液が流し込まれ、それは不穏な音を鳴らしながら胃へと押し流されているようだ。すすり泣きのような声をあげながらも懸命に嚥下する青年を確認して、僕は彼の口から性器を引き抜いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15????