×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


Lの付き人
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「L、L……くすぐったい……」

 ぺちゃりぺちゃりと肌を舐めるLに笑いを含んだエドが言う。剥き出しの腹を舐められても抵抗せず時折頭を撫でてくる少年を上目に見やり、これは合意なのだとLは自分に言い聞かせた。
 Lとエドの年はほとんど変わらないはずなのに成長期というのは残酷で、つい先日170センチを越したLと違い、エドは未だに160センチに届かないでいた。大人と子供ほどの体格差が生まれ、自分の肉体が成長すればするほど組み敷く体を見下ろしたときの罪悪感は強くなった。

「服を脱いでくれ。私も脱ぐ」

 体を起こし、Lはシャツの裾を掴む。そのまま服を上にあげて頭を引き抜くと、それを見ていたエドも同じようにシャツを脱いだ。痩せてはいるが、いつか見たときに比べて肉は付いたような気がする。昔は肋骨が浮いていたが今はそれは見えなくて、ただ痛々しい傷跡だけが、薄い痣のように無数に残っていた。

「おいで、L」

 Lと同様にすっかり服を脱いだエドが両腕を広げて言った。体格に差が出来て以来周囲からは「エドは弟のようだ」などと言われる機会が増えたが、事実は全くの逆である。世話を焼くのはいつもエドだったし、甘えるのはいつもLだった。差し伸べられた腕に抱き締められて、その小さな背中に腕を回す。裸の胸がくっつくとじんわりと体温が同化していくように感じて、心臓の鼓動までもが聞こえてきそうで心地よかった。

 抱きついたまま体重をかけるとエドは大人しくベッドに背中を沈めた。なすがままに自分に従う彼の心境はLには分からなかったが、ただひたすらに互いが互いを必要としていることだけは知っている。Lにはエドの優しさと大らかさが必要だったし、エドはLを庇護し尽くすことで歓びを感じている。見下ろす体はやはり小さかったが、その体がLの心の隙間を埋めているのかもしれない。
 覆いかぶさるようにしてキスをした。唇を唇に押し当てる。エドは目を瞑りそれを甘受する。舌で唇を舐めるとエドのそれが薄く開いて、そこから垣間見える舌をLは吸った。舌を舐めるとエドの体が緊張して微かな息が漏れる。

「んっ……う……はぁ……っ」

 遠慮もなく、エドの口腔を蹂躙する。舌が甘い。甘くて、クラクラする。一度舐めるともっと舐めたくなって更に奥へと挿入した。自分の唾液が舌を伝ってダラダラと流れ落ちるのが分かる。呼吸を遮られ苦しそうに嚥下するエドに、何故か体が熱くなるのも感じた。

「はぁ、んむ……っ、える……まっれ……」

 唇の隙間からエドが抗議の声を上げたが、Lは彼の体をベッドに縫いとめるように腕を押さえつけて再び口を塞いでしまった。舌をしゃぶり、唾液を舐める。その度に眉を寄せて苦しそうに震えるエドの姿を見るとたまらない気持ちになる。ろくに身動きも出来ないエドは素直にLの思う通りに動いた。差し込まれた舌を吸い、吸われれば舌を伸ばし、流し込まれた唾液を喉を鳴らして飲み下す。口の中はどちらの唾液か分からないほどグチュグチュに濡れていた。

「ぷぁっ……えりゅ……もぉひゃめ、へ……んちゅ……ゃ、ぁむ……っ」

「はぁ、はぁ……まっ……あにゅ、んんっ……んーっ」

「はふ、はぁ、あぁっ……も……くるひぃよぉ……ゆるひ、れぇ……んっんっんっ……」

「やぁぁ……あっ……はぁっ……ぁ……あぁ……ひぃ……っ」

「はー……はー……んぁ……あぁぁ……ぁー……」

 三十分ほど続けていると、エドの口からは吐息以外の言葉を失ったようだった。ヒクヒクと震えながら舌を伸ばす様は淫猥で、朱が差したLの頬が思わず緩む。虚ろに呼吸を繰り返すエドにもう一度唇を押し当てると、彼の舌はぬるりとLの口へと滑り込んだ。散々蹂躙した舌の動きを真似てLの舌を舐めしゃぶる。触れ合うエドの胸では小さな乳首が硬くしこっていた。蠢く舌先を吸いながら、硬く尖って快感を示す乳首を指で圧し潰す。押し付けた指の腹で捏ねるように何度も乳首を擦ると、不意にエドが甘えたような高い声をあげた。

「あっ……ああっ……や……っ」

 跨っている体がびくりびくりと幾度も弾む。息も吸わずに痙攣を繰り返すエドの様子に驚いたがLはそのまま舌を吸い続けた。柔らかい筋肉が口の中で震えている。しばらくすると痙攣は収まって、エドの体から力が抜け落ちた。乳首を捏ねていた手を離しエドの下腹の辺りに手をやると、射精してしまったのだろう。そこはぐっしょりと湿っていた。
 腹に飛び散る精液を塗り広げて、Lはその手で自分の性器を掴んだ。触れてもいないそこは硬く立ち上がり、心臓の鼓動と同調するようにドクドクと脈打っている。濡れた先端を滑る手で包むと想像以上に気持ち良くて喉から唸り声が漏れる。荒い呼吸を繰り返すエドがそんなLの頭の後ろへ手を回し、唇を優しく吸った。

 唇を舐める温かさ。性器を握る精液に濡れた手の温度。耳の後ろで血液が音を立てて流れていく。いつもなら何かしら考えている脳が思考を止め、目の前のエドの映像と、下半身の感覚だけが世界の全てになっていた。

「う……エド……」

 ぶる、と身震いして熱い液体を手の平に吐き出した。粘性の高いそれは自分の手にかかり、エドの精液と混ざっていった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

150715