影山×近所の兄ちゃん
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風呂に入っても、考えることはほとんどがバレーのことだ。浴槽は俺のサイズに合っていないため足を伸ばすことは出来ないけど、代わりにうんと腕を伸ばす。そのまま水面に落とすとバシャンと大きな音が鳴ってお湯が顔に飛んできた。
腹減った。夕飯何だろう。修兄が親子丼の話をしていたから親子丼かもしれない。修兄の親子丼はきちんとカマボコが入ってるしちょっと甘めで好きだ。明日の朝練が待ち遠しい。日向のクソレシーブに付き合うのは億劫だが、最後は少しスパイクの練習もさせてやろうか。いやスパイクは放課後でもいいか。
立ち昇る湯気で視界も頭もぼんやりする。暖かくて気持ちいい。朝から緊張しっぱなしの筋肉がじんわり緩んでいくのが分かる。早くメシ食って寝たいけど多分今日もしっかり宿題やらされるからまだ眠れない。俺の首はいつの間にか下を向いていて、水面に自分の顔が映った。眠そうな顔をしてる。前髪がお湯の中に垂れて小さな波紋を作ってる。肺に流れてくる空気があつい。
「飛雄、寝たら溺れるよ」
ヒュッと冷たい空気が浴室に流れ込んで、声に気付いた俺が頭を上げる。修兄が苦笑いしてこっちに近付いてきた。スリッパを脱ぎ裸足で冷たくなった水を踏む修兄は少し寒そうだ。
「いつまでも上がってこないから溺れたのかと思ったけど、ギリギリセーフだったね」
俺の体温より少し冷たい修兄の手が頬に触れた。のぼせてはいないはずだが、それが何となく心地よくてまた目蓋が重くなった。俺の口元を親指が拭うような動きをする。涎でも垂れてたのかもしれない。
「ほら、起きて。ご飯出来たから食べよう」
肩を軽く掴まれてほんの少し揺すられる。マジで寝る寸前だったようで自分の体が異常に重たかった。何とか腕を持ち上げて修兄の肩に手をかけ身を乗り出すと、修兄が腰を屈めてくれた。きっと立ち上がるサポートをしようとしてるんだろうけど、俺はそんなことよりもキスがしたかった。
俺の鼻先10センチほどに修兄の顔がある。肩にかけた腕を首の後ろに回すと体が傾いた修兄は慌てて浴槽の縁に掴まった。何か言おうとする小さい唇をチュッと吸うと修兄の顔が少し赤くなって「こら。今から夕飯だぞ」とたしなめた。
「修兄、キスしてえ」
「今しただろ?」
「違う。ベロ入れたい。すぐ風呂出るから……」
ゆっくり頭を横に振ると、髪から水が飛んだ。うまく頭が働かなくてまるで子供が駄々を捏ねるような言い分だったが、俺に甘い修兄は苦笑いのようなため息をつく。
「……一回だけ。終わったらすぐご飯。それならいいよ」
呆れてるくせに優しく笑うもんだから、俺はまた甘やかされてるのだと実感した。修兄とは付き合ってるわけじゃないし、小さい頃からずっと一緒に過ごしてきたのに、なぜこんなに修兄に触りたくなるのか自分でもよく分からない。安心する。修兄の体温と自分の体温がじんわり一体化するのが気持ちいい。おそらくそんな理由だと思う。
修兄の頭の後ろに手の平を回して引き寄せると鼻と鼻があたった。いつもは俺より低い目線が、今は同じくらい。
さっきよりもゆっくり唇をくっ付けて、修兄の唇を噛む。力は入れずそっと歯で挟むと修兄の目蓋がピクリとする。キスのときにちゃんと目を瞑るところが可愛いな、と毎回思う。
ベロを出して唇を舐めると薄い唇がほんの少しあいて、柔らかい修兄のベロが俺の下唇をちょっとだけ舐めた。恥ずかしがるのに妙に積極的。それはいつも通りだったけど、俺がベロを伸ばすと、修兄のベロが絡みつくように動いた。温かくてぬるぬるする。ベロの裏側を舐めて、横を舐めて、先を舐める。くすぐるみたいな動きに背筋がゾクゾクした。多分俺がまだ寝ぼけてるから軽いイタズラのつもりなんだろうが、徐々に意識がはっきりしてきて、それと同時に下半身に熱が集まっていくのを感じた。
「修兄……」
キスの合間に名前を呼ぶと、修兄は薄く目を開く。俺の顔を見たあと恥ずかしかったのか何気なく視線を下げて、それから少し固まった。目は俺の股間に向いてる。勃ってることに気付いたみたいだった。
「……口でしてやるから、上がりな」
耳まで真っ赤になりながらそんなことを言う。修兄はフェラがやたらうまくて、気持ちいい分早く出してしまうから俺もちょっと恥ずかしい。湯船から出て、浴槽の縁に腰をかけると修兄が俺の前に膝をつく。部屋着として使ってるジャージが濡れてるが、気にしないみたいだった。
白い手が俺の股間に伸びてチンコを掴む。鷲掴みっていうよりは優しく包み込むような手付きで、ほとんど力を入れずに軽く上下に擦っている。修兄が足の間に体を入れて、そのまま頭を股間に寄せる。風呂場の明かりに照らされるベロは真っ赤でテラテラ濡れていた。そんな光景が既にエロくてまたチンコに熱が集まっていく。修兄に握られているチンコがピクリピクリと揺れた。
「ん……いつもよりデカいね。寝起きだからかな……」
根元にベロがくっついて修兄の手より下にある部分を舐め回して、ときどきチュッと吸い付いてまた手が上下する。しばらく繰り返すと今度は手が離れて代わりにベロが張り付いてくる。根元からくびれた部分までをベロが何回も往復して、気持ちいいようなくすぐったいような感覚に息が切れた。すぼめられた唇が先端に吸い付いて、ジュルジュルと音を鳴らしながら口の中にチンコを収めていった。柔らかい唇が力を込めながら降りていく感覚が、まるで修兄の中に入れる瞬間みたいな、狭い場所を無理矢理割り開いて進む感覚に似ていてゾクゾクする。思わず声が出てしまって、そうすると修兄はまたそれを繰り返してくれる。
「やべ……修兄、でる……っ」
早いと思われるのが恥ずかしくて我慢していたのにやっぱり無理そうだ。頭の中が真っ白になって、出したい、イキたいという単語がぐるぐる駆け巡る。このまま口の中で出したら修兄はきっと苦しいだろう。でも口の中で出すのは気持ちいい。温かくて、ぬるぬるしてて、修兄が吸ってくれると腰が震えるほど気持ちいい。俺はその感覚を知ってる。
ハア、ハア、という俺の息遣いが響いているのがどこか遠くで聞こえるようだった。修兄の肩を掴んで引き離そうと思ったのに、俺の右手は湿気で少し湿った頭を抱えて自分の方へ押し付けてしまう。イキたい。苦しい。出したい。イキたい。修兄の口に出したい。
ジュポジュポ音をたてながらしゃぶっていた修兄が俺の尻に手を回して抱き寄せる。ジュボッとひどい音が鳴って柔らかい肉が吸い付いてくる。喉の奥に先端が当たる感覚に内腿が震えた。
ドクンドクンとチンコが脈打つのに合わせて、溜まってた体液が修兄の口に流れ込む。修兄が唾液と俺のを飲み込むと喉がキュッと狭まり目の前がチカチカした。ビクッと腰が弾むのはバレてしまったかもしれない。全力疾走でコート内を走り回ったあとみたいに、心臓がドキドキうるさく鳴っていた。
「ん……おいしい」
体液を飲み込んだ修兄がうっすら笑ってそう言った。おいしいわけないと理解してるしそもそもそんなもん飲むようなものじゃないと分かってるのに、俺は嫌な気はしなかったし、きっと修兄はそれを知ってて言ってくれるんだと思う。
ジャージの上からでも分かるくらい勃ってる修兄のチンコをつま先でチョンとつつくと、修兄は俺の膝を手の平で軽く叩いた。今更になって、濡れたままむき出しになっている肩が寒いと思い出したが「最後までしたくなるから、俺はこのままでいいよ」という修兄の言葉にまたそれが頭の中から消えていく。俺はとっくに最後までしたいけど、修兄はこれ以上夕飯を遅らせるつもりはないようだった。
「さあ、夕飯にしよう。シャワー浴びて、暖まってから出ておいで」
「おう……親子丼?」
冷たい水を踏みながら脱衣所に上がった修兄が振り返る。そうだよ、と返す、赤く濡れた唇と目が妙に色っぽくて、俺はまたドキドキしながらシャワーのコックを捻るのだった。
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150420