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野外フェラ
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 地面に膝を付きちろちろと舌を動かす修二はそれだけで酷く扇情的ではあったが、俺たちの周りの景色と合間って、それはどことなく背徳感のような罪悪感のような、とにかくいけないことをしているのだと知らしめるには十分すぎる効果を発していた。おざなりに置かれた石のベンチに座る俺と違い、汚れるのも厭わず地に手と足をついて懸命に俺の性器をしゃぶる修二はとても健気で、涙を堪えながらも休まず頭を上下に動かす姿はそれだけで劣情を煽るものだ。実際は合意なのだが、無理矢理フェラチオをさせているような、どこか征服欲の満たされるこのシチュエーションに、俺もしっかり興奮してしまっていた。
 何故屋外でこんなことをしているのかと問われればどうにもならなかったからと答えるしかない。元より男同士、屋外でも必然的に人目の付かない場所を進み、手を繋いだりキスをしたり、スキンシップの延長線で行うことはよくある。修二も照れはするが嫌がりはしないし、俺は俺で一秒でも長く彼に触れていたいからそうする、というだけだ。きっかけは覚えていないが、そんなスキンシップを繰り返している内にそういう雰囲気になってしまって、お互い如何ともしがたくこうして木陰に隠れて処理をしている、というわけである。
 じゅるじゅると卑猥な音を鳴らしながら先端を舌で嬲られて腹筋が引きつるのを感じる。いつ人に見られてもおかしくない場所でというシチュエーションで、気が張っているのもあるのかもしれない。体に合ったサイズのそれは修二の口には収まりきらないので半分以上は手で扱かれているのだが、それでもいつもより限界が近いように感じた。歯を食い縛り、下腹に顔を埋める修二の頭を撫でる手に力を込めないようにするのが精一杯だ。

「んっ……かけぇ、くん……ひもひい?」

「っ……ああ……喋ると、歯が当たる……」

「は……ごめ……」

「いい、いいから……」

 ほんの僅か、固い歯の表面が皮膚を擦るのすら辛く感じる。本能のまま腰を打ち付けてしまえたらどれほど気持ちいいだろうかとすら思い始めている自分に愕然とする余裕すらない。括れている部分から先端までを舌が往復して、袋や根元は丁寧に指で揉み込まれる。止めどなく襲いくる射精感を堪えようにも荒い呼吸は隠しきれなくて、俺はみっともなくはあはあと切羽詰まった呼吸を繰り返した。

「悪い、修二……もう、イきそうだ……っ」

 腰の奥と腹がじんわりと痺れて目の前がチカチカする。ひょっとしたら涎まで垂らしているかもしれない。修二の口から性器を引き抜いてティッシュに出さなければと思うのに、まるで離す素振りを見せない彼にこちらが焦れた。

「修二……っ、はなして、くれ……」

 じゅっと吸われて思わず腰が弾んだ。もう駄目だ。とても我慢しきれない。目の前が白くなって、頭の中、イきたいとか出したいとか、その単語で一杯になっていく。「んっ、ぐ……っ」苦しそうに修二が呻く。きっと俺の手が彼の頭を押し付けてしまっているんだろう。申し訳ないと思うのに力を緩められない。じっとり背中が汗ばんで気持ち悪い。なのに気持ちいい。出したい、修二の口に。嫌われてしまうだろうか。でももう耐えられない。

「あっ……はあっ、はあっ、修二……ッ!」

「ぅん……う、ぐ……!?」

 ぶるっと体が震えて、どぷりという感覚と共に体中の力が抜けていった。腰を押し付けると喉の奥に先端が当たって修二が苦しそうに嗚咽する。息を吐き、ぐったりと脱力すると、ちゅっと音をたて口を離した修二がようやく顔を上げた。

「はぁ、はあっ、は……わるい……」

「んん……だい、じょうぶ……」

「っ! おい、今の、飲んだのか……!?」

 口の中に出してしまったものをゴクリと飲み下し笑って見せる彼に俺が慌てふためいてしまった。指先で唇を拭って後始末をする様子に何とも申し訳ない気持ちばかりが膨らんで、しかし今更どうすることも出来ず俺も身なりを整える。初めての経験の俺と違い躊躇も迷いもない彼は恐らく何度かこういう場面に出くわしたことがあるのだろう。それが果たして彼の兄かそれ以外の男なのかは分からないが、あえて聞くようなことではないと、思った。

「……修二、今度は、俺の番だ」

 赤らんだ頬とどこか焦点の定まらない瞳をした彼の腕を掴んで、今までのポジションを交代した。石のベンチに座らせた修二の前に俺が跪く。ベルトを外してジーンズを寛げると小さな声が俺を呼んだ。

「か、けぇ……くん……」

「……凄く気持ちよかったよ。次は俺が気持ちよくさせてやるから」

 フェラチオで興奮したのか下着の中のそれは既に形を変えていて、手の平でそっと擦ると頭上から甘えたような声が溢れる。腰に響くそれを鼓膜に感じながら性器を取り出し口付けた。恐らくこのあと俺たちはホテルにでも向かうのだろうが、今はまだ、この熱を開放させるのが先決だ。何度も何度も泣きながら名前を呼ぶ修二が可愛くて、俺はもう周囲のことなど頭になく、ただ彼に快感を与えることだけを考え頭と手を動かした。

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