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ご奉仕セックス
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「準、くん……?」

 名前を呼ばれてはっとした俺は口を引き結び顔を上げた。俺の上に馬乗りになった弘樹は辛そうに浅い呼吸を繰り返しながら、何も纏わない胸を上下させて俺を見下ろしている。微かに朱に色付いた薄い胸板や華奢な腹や腰にはいくつもの汗が珠になって浮いていて、普段見下ろされるのを好まないこの俺も思わず唾液を飲み下す。

「気持ちよく、ない……かな……?」

 色ごとに奥手がちな弘樹が今日は珍しく積極的だったためしたいようにさせていたが、流石に押し倒された時には少々焦った。無理をするなと止めても「俺が気持ちよくさせてあげたい」の一点張りで結局こうなったのだが、正直これは予想外だ。てっきり途中で断念すると思っていた。
 乾いた喉で「そんなことはない」と声を絞り出すと弘樹は安心したように唇に笑みを乗せた。吐息混じりのそれは妙に色っぽくてずくりと下腹に熱が溜まる。体内に俺を収める彼にもやはりそれが分かったらしく、びくりと肩を弾ませて唇を噛み締めていた。

「動くから……大きく、しないで……」

 俺の腹に手を付きながら弘樹はそう言ったが、まあ無理な相談なので返事はやめておく。顔を赤く染めた弘樹がゆっくりと、本当に焦らすかのような緩慢な速度で腰を持ち上げる。性器が粘膜を擦る度に「んっ」とか「あっ」とか甘い声が落とされて、再びごくりと喉を鳴らした。堪えるのは厳しいかもしれない。

「フン……貴様の方が気持ちよさそうじゃないか」

「ひ、ゃ……じゅん、く……!」

 丁度視界に入る性器からは先走りが溢れている。ひくりと震えるそいつを人差し指でなぞると弘樹の腕が震えて、持ち上げたばかりの体が逆再生の映像のように沈んでいく。

「あぁ、あ、ぁ……っ」

 自らの体重で深くまで入り込んだのだろう。上体を後ろに反らして胸を突き出しながら、彼は荒い呼吸を繰り返していた。とろりと溢れた透明な液体を指ですくい先端に塗り込んでやると、弘樹は大きく首を振る。汗ばんだ髪が紅潮した頬や額に張り付いた。

「ぃ、やだ……じゅん、くん……今日は、俺が……」

「やかましい。黙って見ていろ」

 そろそろ限界も近いであろうにまだ自分がやると訴えているので、俺はそう口止めして手を移動させた。ぬめりを帯びた性器を撫でるだけで弘樹は息を飲み込み、俺を咥え込む内壁を収縮させる。俺も荒くなりそうな息を、しかし懸命に押し隠して、びしょびしょに濡らしたそこを手の平で包み込んだ。

「はぁ……ぁ、あ……ッ」

 彼の体温なのか俺の体温なのか分からないが、手の平に伝わる熱は普段の体温よりも何倍も熱く感じる。手がくちゅりくちゅりと上下する度に弘樹の口からは切なげな声が漏れて、徐々に動きを早めてやればその声は更に切羽詰まったものにすり代わった。瞳にたっぷり涙を湛えた弘樹が駄々を捏ねるように首を振る。イキそうなのだろう。

「出して構わん」

 声を上げたら負けな気がした俺は懸命にそれを堪えながら低く唸るように呟いた。開き切った唇から唾液を溢れさせ、そんなぐずぐずな状態でもどうにか俺を楽しませようと弘樹は腰を揺らめかせる。 熱い粘膜に扱かれて、俺の視界も濁っていく。

「んん……っ、い、……!」

 ひゅっと息を飲む音のあと、弘樹は背中を反らせてガクガクと痙攣した。撫でるような手付きで擦ってやっていた性器は何度も脈打ち白濁を吐き出している。きつく締め付けられた俺も強烈な射精感にはあらがえず、声を殺して弘樹の中へと精液を吐き出した。


「……で、何のつもりだ?」

 ティッシュを取り、俺の体の上にのしかかって頬をくっつけている弘樹に声を掛けた。俺も彼もほぼ全裸で、弘樹に至っては俺の性器を中に収めたままの状態である。抜いてもいいのだが、柔らかい内壁が時折もたらす収縮運動が気持ちいいので堪能していた。

「ん……準くんのこと好きだから、伝えようと思って」

「何だそれは。全く、お前は……」

「え? やっ、準くん……?」

 中々口に出せない俺と違い、好きだと率直に言って退ける弘樹を愛しいと思う。わき腹をくすぐってやれば彼は慌てて体を起こし、その反動でにゅるりと滑る性器を締め付けた。若い体は十分すぎる刺激に俺はまた反応を示して、思わず唇を綻ばせながら恋人の額に口付けるのだった。

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