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社会人と喜多くん3
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 雅人さんに会うのは、部活が早く終わる火曜日と木曜日、そして彼の仕事が休みの日曜日。多くて週に3日だ。たまに土曜日も会えたりするが、部活に勉強に追われる俺と、いつも多忙そうな雅人さんの予定は僅かな時間しか合致しない。だからついそちらを優先して部活の仲間からの誘いを蹴ることも多いため、近頃は付き合いが悪いだの、年上の彼女に愛されてるだの、口々にからかうメンツが現れていたりする。正しくは年上の彼氏なのだが、流石にそこまで説明することは出来ないため曖昧に濁し、水曜日の今日は逃げるように学校を後にした。
 風呂から上がりタオルで髪を拭きながら、メールの着信を知らせるランプが点滅する携帯を取る。送り主は雅人さんで、いつも通り簡潔に、県外研修のためにしばらく会えそうにないということが記されていた。



 研修は一週間ほど続くらしい。木曜日の今日、朝早くに出発し、こちらに戻るのが来週の木曜日だという。随分長い期間出掛けるんだなと思ったが、俺たちサッカー部の合宿も一週間以上あるのだ、社会人の研修がそれだけの期間続いても不思議ではないだろう。とはいえ木曜日に大人しく家に帰るのは久々で、家に戻ると母さんは珍しがっていた。いつもより早い夕食を取り、見たいテレビもないため風呂に入り、髪を乾かしながら携帯を手に取る。新着メールはない。きっとメールを送る暇もないのだろうと、少し期待していた自分を慰める。

 携帯を閉じて今日の練習を思い返し、明日の練習メニューをどうするか考えようとイスに座る。基礎体力はもちろんだが、弱小チームと言われないためにも隼総以外の面子もテクニカル面を強化しなければならない。部誌に今日の練習メニューと明日の予定を書き込んで、そのとき不意に、西野空の言葉を思い出した。「研修ついでに男遊びしてるかも〜」なんてドラマの見過ぎとしか思えない言葉で、俺はそんなことあるわけがないとため息を返した。

 実際そんなことがあるはずない。俺は雅人さんに愛されている自信があった。何故彼がここまで俺を愛してくれてるかは分からないが、それでも会えた日には好きだ愛してると囁かれたし、俺も何だかんだで今ではすっかり彼を好いていた。あの人に限ってそんなこと、と思う。
 でも自分の父は、接待で女の人が相手をしてくれる店に行くという。前にその店でもらった名刺が出てきたとき、母さんはそれはもう怒り狂い父さんに詰め寄っていたものだ。浮気、とまではいかなくとも、もしかしたら雅人さんもその手のお店に行ったりするのではないだろうか。

 俺はそれを責めるつもりはないが、それでも、俺の知らない女の人に笑顔を向け、楽しそうに話をする雅人さんを想像するとどこか腹の辺りがもやもやする。出来ることならそういう場所には赴かないでほしい。優しい声音の囁きも、手や背中を撫でる指も、全て俺だけに向けられていたらいいのに。そんな女みたいなことを考えながら、俺は手を腹へ滑らせた。
 いつもだったら、雅人さんの側にいて、気持ちいいことをしているはずなのに。短パンの上から股間を撫でて、普段とは違う手付きに息を吐き出す。前にしたのは火曜日で、今日は木曜日。溜まってるのかもしれない。

 ドアの鍵を閉めて、音が漏れてしまわないよう音楽を流してからベッドに座った。自分でするのなんて随分久しぶりな気がする。短パンを脱いで、トランクスの上からちんこを揉み込んだ。しばらくそうするとそこはすぐに硬くなって、邪魔な下着も脱ぎ捨てた。雅人さんのとは違う、子供っぽいちんこだ。やんわり握って上下に擦ると、腰の奥が痺れるような感覚が伝わった。
 反対の手を口元に寄せて指をしゃぶる。舌を吸われながら扱かれるのが気持ちいいと知ってる俺は、自分の指で舌をつまんで誤魔化した。熱く湿った口をかき混ぜて、時々指を吸ってちんこを擦る。雅人さんとするときほどよくはないが、それでも熱に浮かされるような感覚がある。

 口から指を抜いて、少し迷った挙句、俺は濡れた指を尻へ回した。ちんこだけでは物足りなくてここをオナニーに使うなんて、とうとうどうかしてしまっているというのに、俺の頭は興奮で霞がかったようになり何も考えることが出来ない。尻の奥を撫で、穴を探る。力を入れて押し込むと唾液で滑る人差し指と中指は抵抗もなく埋まっていった。雅人さんの指を思い出しながら、口より熱くてぬるぬるするそこをそっと刺激する。気持ちよさより緊張が勝るが、それでも自分で尻を弄るという興奮が俺を包んでいた。

「ん……はあ……」

 喜多くん、と頭の中で声が再生される。気持ちいい? 俺は頷く。ここは? 指が、腹の方を押す。ちんこに直接精液を送られるような、鈍い快感が腰を移動する。こっちは自分で出来るね? 頷いて、ちんこを握る手を動かした。気持ちいい。ちんこも、中も。先走りでぐしょぐしょになったちんこを擦り、ややもすると限界に体が震えてきた。すぐにでもイきそうなちんこを扱く手が止まって、それでも、俺の想像の雅人さんは尻を弄る指を止めてくれない。ほとんど泣きそうになりながら首を振りたくって、歯を食い縛りながら射精した。体中を痙攣させ、それでも尻の中を擦り続ける。頭の中が白くなって、色の濃いザーメンが、ちんこから溢れて俺の腹を濡らした。

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120416