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十代×同室(弘樹)
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 前に三沢が「好きな人の前で理性的に振る舞うのは難しい」なんて言っていた。三沢だったら余裕だろ、なんて思ってたのに、理性的に振る舞うってのはホントに難しいものなんだと今知った。これじゃ三沢だって大変なはずだ。

「十代? どうした?」

 風呂上がりの弘樹はいやに色っぽい。男に色っぽいなんて変かもしれないけど、ほんのり赤く染まった肌とか、その肌に濡れて張りつく髪とか、首元から見える鎖骨だとか、全部が全部色っぽかった。はっと気付いたとき既に俺は弘樹の肩を押し倒していていて、そのまま勢いで細い手首を押さえ付けた。上から見下ろす弘樹は抵抗なんて考えもしないようで、無防備に見上げる視線に目眩がした。
 好きとか愛してるとか告げるわりにこういったことに奥手な、多分、純情な弘樹を床に縫い止める高揚感。俺ってこんな変態みたいな趣向があるのか、なんて。未だ不思議そうな瞳を見つめながらそう考えた。

「じゅう……んっ」

 声を上げようとした唇に俺のそれを押し付ける。柔らかくて温かい唇は吸い付くように俺と馴染んで一気にテンションが上がった。目を見開いて硬直する弘樹の表情にまた胸が鳴る。

「弘樹、好きだ」

 弘樹の頬にかっと赤みが差して目を泳がせるのはきっと、嬉しいような恥ずかしいような気分だからだろう。俺が与える物も愛も全て幸せそうに受け入れる彼の考えは、俺にとっては分かりやすい。なるべく力は入れないように手首を掴む手を軽く握り直して、三沢みたいに理性的を目指そうとにこっと笑いかけた。

「こっち向いてくれよ。キスしようぜ」

「じゅ……う、だいっ」

「ん?」

「あのさ……その……」

「どーした?」

 顔を背けた弘樹が目をつむる。肌はさっきよりも赤くて、細い喉や耳までが染まっている。

「その……っ、……………たっ、てる」

 俺に理性的は無理らしい。自分の体を覗き込むと確かに弘樹の言う通り、俺のアレがアレな感じになっていて、まぁ、ズボンの上からでも分かるくらいには勃っていた。興奮してるもん、仕方ない。

「へへ……弘樹が可愛くてさ、つい」

「十代……」

 2人そろって苦笑いだ。俺は気にせずキスしようとしたけど弘樹がチラチラ目をやるから何となく恥ずかしくなる。そんなに気にするほどのことか?

「そんな見んなよ。弘樹だってちんこたつだろ?」

「えっ……」

「まあ、想像は出来ねーけど……抜いてるとこも見たことないしさ」

「そ、れは……」

 あれ、やっぱ恥ずかしいのかな。困ったように俺を見上げる目はまた俺を興奮させるには十分で、腹の辺りが熱くなるのを堪えて弘樹の唇に口付けた。油断してたそこを舌でなぞると薄く開いて、温かい口の中をぺろりと舐める。

「んっ……ぁ、ふぁ」

 弘樹の声は想像してたより甘ったるくて、震える声で途切れ途切れに俺の名前を呼ばれる度に背中がゾクゾクする。右手を離して下腹に滑らせると、それに気付いた白い腕が咄嗟にその右手を掴んだ。

「じゅう、だめっ」

「大丈夫」

 焦った顔も可愛い。懸命に首を振るから髪から雫が飛び散って俺の顔を濡らした。おでこにキスして力が緩んだ瞬間に手を下に伸ばすと弘樹が小さく息を飲む。ジャージに包まれたそこは熱くて、指先に硬い感触を伝えてくる。

「ゃ、十代っ」

「ごめんごめん。でも弘樹だってガチガチじゃん?」

「そ……な、言いかたするな……」

「え? ごめんって、泣くなよ!」

 大きい目が潤んで今度はこっちが焦った。そんなに触られるのイヤだったのかとちょっとショックを受けつつも、茹でタコみたいに真っ赤になってる弘樹のほっぺにキスをする。 手首から手を離し、それでもまだ半泣きになってるこの優等生が、可愛かった。恋人が泣いてるっていうのに俺のアレは萎えるどころか逆に張り詰めていて、知らないうちに変な性癖に目覚めているようだ。
 仕切り直しを、と思った俺はベッドに座って、弘樹を俺の膝の上に座らせた。細い体は見た目通りにめちゃくちゃ軽くて驚く。背中に腕を回して唇を寄せると、弘樹がそれに応えるように目を瞑った。

「んん……はぁ、ふ……」

 首の後ろに回る腕と、唇に触れる熱が凄く気持ちいい。俺が舌を差し込むと弘樹もまた懸命に舌を伸ばしてきて、軽く吸い上げる度に背中にぞわりとした感覚が走る。

「気持ちいい……?」

 キスの合間に問うと弘樹は僅かに顎を引く。とろけるような熱っぽい瞳と硬く立ち上がって震えるソレを見れば感じてるのは分かるけど、肯定されると妙に嬉しい。

「じゃあもっとよくしてやるからな……」

 ぼんやりと熱に浮かされたみたいな表情の恋人が頷く。小刻みに震えるちんこに手をやるとぴくんと弘樹の肩が弾んで、緊張したみたいにこくりと喉を鳴らした。ホントに自分で抜いてるのかも定かじゃないくらいに綺麗なソレを擦ると細い体が震える。何回か上下にさすると先端から、とろとろと透明な液体が流れ落ちた。

「はぁ、ぅ……じゅ、だいぃ……っ」

「可愛いな弘樹。もうイッちゃいそうだ」

「ゃあ……って、十代、の……!」

「俺の、何?」

「じゅう、だ、の……指……もち、いぃ……っ」

「…………」

 ごくん、と生唾を飲み込んだ。恥じらうように頬をすり寄せながらそんなことを言う姿に胸がキュン……というよりムラムラしてたまらなくなる。細い首筋に吸い付きながらちょっと力を入れて扱くと弘樹の体が強張って、甘えを含んだ声が徐々に途切れ途切れの息遣いに変わる。シャツを押し上げる小さい乳首を反対の指で捏ねると弘樹の口からは苦しそうな息が漏れて、それからソロソロと俺のズボンに手を伸ばした。

「俺、も……っ、して、あげる……」

 ボタンとチャックが下ろされパンツの中に指が入り込む。温かいそれにやんわり包まれるとドクンと脈打ちデカくなるのが自分でも分かった。パンツから引きずりだされたアレはかなりギンギンになってて笑ええてくる。恋人の泣き顔に興奮して完勃ちするんだから俺の体は単純だ。

「苦しい……?」

「ん、まあね……」

「じゃあ、楽にしてあげるね……」

 細い指先がするすると上下に動いた。裏側から先端を丁寧に擦られて目の前がチカチカする。親指の腹でぬるつく先っぽを押されると我慢するのも辛くって、もっと焦らしたい気持ちを押さえ込んで俺も手を動かした。弘樹のアレはぐちゃぐちゃに濡れていて力を込めてもぬるりと滑る。俺がされたように先端をぐりぐり押すと弘樹が首を振った。

「ひっ、ぃあぁ……ッ!!」

「っ、く……!」

 とぷんと溢れる液体は白くて俺の手を染めていく。きゅっと握られつられてイッてしまった俺のアレも同じように、弘樹の綺麗な手を白く汚していった。

「ご、ごめんな弘樹っ!」

 一息ついたあと、俺はひたすら平謝り。弘樹は息を整えながらシャツで下腹部を隠すけど、そこから覗く生足が色っぽい……とか考えてしまう自分がひたすら哀しい。

「平気……その……気持ち、よかったし……」

 赤くなりながら言うからまたドキリとする。俺はとりあえずティッシュで手とちんこを拭って、そんな俺の姿に弘樹もクスクス笑いながら手を拭った。さっきまでの熱に浮かされた空気はすっかり霧散されて、いつもの和やかなムードに安心する。

「なぁ、あのさ……またしても、いいか?」

 熱い肌が触れ合う充実感、弘樹の全てを手に入れたような満足感は忘れられそうになくてそう言えば、彼は目を泳がせながらも小さな声で「うん」と呟いた。俺たちは顔を見合せるとまた笑って、それから俺は今日初の、弘樹は二回目の風呂に入ることにした。

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