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「#エロ」のBL小説を読む
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 四月の頭、ボクは蛇を助けた。今年の春からは高校生になり環境も変わるからとお父さんとお母さんに連れられて神社に赴いて、そこでそれと出逢ったのだ。カラスに啄まれ、応戦しながらも逃げようとするそいつは木漏れ日を浴びてキラキラと白く輝いていて、いつもならちょっと気持ち悪く見えるようなニョロニョロとした蛇だというのに、ボクはついそいつを助けてしまった。上着でカラスを追い払ったあと、確かに白蛇と目が合った。黄色いギョロッとした爬虫類の眼はやっぱりどこか気味が悪い。だけど少しばかりいいことをしたような気になったボクはそんなこともすっかり忘れて、待ちに待った高校生活を迎えた。そうして今に至る。
 ボクの家に馴染む蛇神さんは何をするでもなくソファに腰掛けたままこっちをじっと見つめている。ほとんど瞬きもなく、動くことも、なんなら呼吸してるかどうかだって怪しい彼はどう見ても普通じゃないのに、蛇神さんが家に来るとお父さんとお母さんは意識がなくなったみたいにぼんやりして、まるでレールの上を走り続けるオモチャの電車みたいにいつもと同じ生活を繰り返してる。蛇神さんは、変だ。人間じゃない。じゃあ何? と思い彼に尋ねると、彼は薄笑いを貼り付けたような表情で「蛇神だよ」としか言わない。きっと神様なんだと思う。ボクが助けた白蛇は実は神様で、人間の姿になって現れたのだ。もう十五歳になるのにそんな考え方はメルヘンチックだろうか? 隣に座る蛇神さんを見上げると、彼は何を考えているか分からない表情で顔を近付けてきた。
「蛟は可愛いね」
 ボクはムッと頬を膨らます。
「ボクはミズチじゃなくて、ミヅキ。いい加減覚えてよね」
「怒ってる顔も可愛いね」
 ボクの言うことはこの通り全然聞いてくれない。言いながら蛇神さんの顔がボクの顔の前に迫り、キスされると気付いた瞬間咄嗟に手で彼の口を覆った。
「ちょっ、と! なに、やだ……!」
 ここはリビングだ。ダイニングにはお父さんとお母さんがいる。向かい合って座る二人は何も話していないのに微笑を浮かべていて少し不気味だったけど、二人ともボクたちがここにいるのは気付いてるだろうし、きっと視界にも入ってる。そんなところでキスするなんて絶対無理! そう思ってグイグイ押すのに蛇神さんはビクともしない。長袖の先から伸びる青白い指がボクの顔に伸びて、頬や口を遠慮なく触ってくる。
「嫌? 何が嫌? 蛟は気持ちいいことが好きだろう?」
 薄い唇に笑みを乗せたまま、何故拒むのか分かりませんみたいな表情で蛇神さんが言う。両親に見られてるんだもん、何が嫌だとかそういう問題じゃないのに。蛇神さんがソファから立ち上がってボクの腕を引いた。その力に引っ張られボクも立ち上がると、蛇神さんとボクの身長差が顕著になる。蛇神さんは百八十センチをゆうに超えてる。対するボクはこの間百五十センチに到達したばかりで、見上げる彼は細身だけど、電柱のように高く高くそびえ立ってる。
「蛟、服を脱いでごらん」
「え!? やだよ!」
 弾かれたように答える。お風呂に入るわけでもないのにリビングで服を脱ぐなんてあり得ないし、お父さんとお母さんに変な子だと思われちゃう。そう思い拒否したはずのボクの手が、ボクの意思とは関係なく動きだした。
「え……えっ? あっ、やだ、なに?」
 手はシャツの裾を握りゆっくりと腕が持ち上がる。剥き出しになったお腹が、胸が、外気に晒されてスースーする。
「やだやだやだ! 脱ぎたくない! ボクまだお風呂入らないよ!」
「うん。お風呂はあとで入ろうね」
 また全然話を聞いてくれない。ボクの手はシャツを頭から引っこ抜いてソファの上にその布を捨てた。なんで? 脱ぎたくなんてなかったのに。みんながいるリビングで上半身裸になったボクが混乱していると、隣で見ていた蛇神さんが嬉しそうに声をかけてくる。
「蛟は今日も綺麗だね。沢山愛してあげようね」
「やだ! もう変な術使わないでよ! 蛇神さんのバカ!」
 唯一自由に動く口で精一杯の悪口をぶつけてみる。蛇神さんはボクに言われたことなんて聞こえてもいないような素振りで、青白い腕を伸ばしてくる。骨張った指がボクのお腹を掴んで優しく撫でる。ぷにぷに触って、肌の上に手を滑らせて次はおっぱいに触る。ボクの顔がかあっと熱くなって、だけどあんまりな出来事に声も出なくって、唇をぶるぶると震わせながら固まっていると、
「深月、言うことを聞きなさい」
 ダイニングから、お父さんが言った。慌ててそちらを向くとお父さんと目が合った。ボクの喉から言葉は出てこない。
「蛇神さんを困らせちゃダメだ」
「そうよ深月。深月は蛇神さんのお嫁さんなんだから、いい子にしてなきゃ」
 ボクは男なんだからお嫁さんなんかじゃない。そんなの蛇神さんが勝手に言い出したことなのに。違うよって言おうとしたのと同じタイミングで、蛇神さんの指がボクの乳首をキュッと摘んだ。
「あっ♥」
 思わず喉から変な声が出る。お父さんとお母さんがいるのに、こんなこと。リビングで、こんなエッチなことをするなんて。唇を噛みあまりの恥ずかしさに顔を俯けると、それを同意と判断したのか蛇神さんの手の平がボクの胸を覆って、羞恥に硬く尖る乳首を手でコロコロと転がし始めた。
「んっ♥ んふ……ぁんっ♥」
 やだ。やだ。やだ。お父さんとお母さんが見てるのに。おっぱいをくりくりされてるとこ、見られてるのに。恥ずかしすぎて顔をあげられない。あげたら絶対に目が合っちゃう。顔がかっかっと火を出しそうなほど熱くなってるのに背中は震えるくらいに冷たい。蛇神さんがボクの耳に顔を寄せる。
「大丈夫。父と母も交わって蛟を産んだのだから」
「おっ、親のそーゆうの……! 聞きたく、ないっ!」
 なんでそんなにデリカシーがないの! ブンブンと頭を振って懸命に意思表示をしてるのに、蛇神さんの手は優しくおっぱいを揉みしだいてる。時々指が乳首を押し潰して、その度に甘えるみたいな声が鼻から抜ける。お父さんとお母さんに聞かれてるのに。今は蛇神さんの変な術のせいでお父さんもお母さんもぼんやりしてるけど、もしこれが解けでもしたら。リビングで蛇神さんにエッチなことされて、エッチな声を出して喜んでるってバレちゃったら。そう思えば思うほど呼吸が荒くなって、腰の奥がムズムズして、おしっこを我慢するみたいに太ももを擦り合わせる。蛇神さんがボクの耳をぺろぺろと舐める。ねっとりとした水の音がぐちゅりと鳴る。
「可愛い蛟。わたしと契るのを両親に見せればいい。立派だと、喜んでくれるはず」
 そんなわけないよ! 蛇神さんの人差し指と親指が乳首を優しくきゅうっと摘んで、いい子いい子するみたいにスリスリと擦り合わせる。
「ああっ♥ それやだぁ♥ やさしいのだめっ♥」
 ぞくぞくして、頭の中がきもちいいのでいっぱいになっちゃう。優しく可愛がられる乳首もツンと硬くそそり立って、もっともっとと蛇神さんの指からもらえる刺激をおねだりしてる。ダメなのに。お父さんとお母さんがそこにいるから、もうこれ以上きもちよくなっちゃダメだ。いくらおっぱいをコリコリされるのが気持ちいいからって、おちんちんをおっきくしちゃダメなのに。抵抗しなきゃ。ボクのおっぱいクリクリしないで。蛇神さんなんてきらいっ。
「深月。親切にしてもらったらお礼を言いなさいって、いつも言ってるでしょ」
 お母さんの声が、お隣の家のおばさんにお礼を伝えられなかったことを嗜めるような口調で言う。
「そうだぞ深月。さっきからダメダメって。ちゃんとお礼を言いなさい」
 お父さんの声も。こんなの変だ。絶対おかしい。リビングで、両親の前で、裸になって立たされて、ボクよりもずっと体の大きい蛇神さんに、ぷっくり膨らんでしまったおっぱいの先っぽをコリコリされてるのに、なんでかボクが怒られてる。コリコリ、くりくり。反抗する暇も与えず乳首を躾けられちゃってる。はっはっと口から短い息が漏れた。ボクがおかしいのかな。へんだ。おちんちんがきゅんきゅんして、いたい。頭がぼんやりしてる。考えてることが分からなくなる。
「あぁ……っ♥ もぉやだ……もぉやだぁ……♥」
 きゅうっとお腹が熱くなった。目元がじわっと熱くなって、腰がそって、別の生き物みたいに前後にカクカク揺れる。だめ、イッちゃう。乳首をコリコリされて、気持ちよくなっちゃってるところ、お父さんとお母さんに見られてるのに。
「はあっ♥ あーっ♥ あっ♥ あっ♥ あっ♥」
 腰とまんない。甘えるみたいな声がひっきりなしに飛び出して、お父さんとお母さんの前で、わんちゃんみたいに腰をへこへこさせながら、イッちゃってる。ほんのちょっとおっぱいをいじられただけなのに、蛇神さんにえっちなことをされ続けたボクの体はすっかりヘンになってしまった。ズボンの中で痛いくらいに膨らむおちんちんを一生懸命振りながら、パンツの中にじゅわっとあったかいせーえきをお漏らししてる。きもちいい。しあわせ。蛇神さんの指がいい子いい子するみたいに乳首をなでなでし続けて、ボクは足にも腰にも力が入らないのに、お腹の奥だけはキュンキュンと力んで射精してる。膝はガクガク震えてるし、腰もぬけちゃいそうだった。開きっぱなしの口からよだれがポタポタ垂れて、ソファにしみを作ってる。いっぱい出してすっきりしたはずなのにボクの体はやっぱりヘンだ。お腹の底が熱くて、お尻の奥がむずむずしてる。きっと蛇神さんが毎日のようにボクのお尻の中をこねこねするから、あの感覚がクセになっちゃったんだ。パンツもぐちょぐちょで気持ち悪い。恥ずかしさとみっともなさに涙目になるけどボクにはどうしようもなかった。このむずむずを治してくれるのは、蛇神さんだけだもん。
「へ……へびがみ、しゃ……」
「うん? なに?」
 ぴくん、ぴくんと余韻に体を痙攣させながら、息も絶え絶えに蛇神さんを呼んでみる。蛇神さんはいつもの貼り付けたような笑顔を浮かべながらボクを見ていた。
「おへや……いきたい……♥ ボクのおしり、蛇神さんのおちんちんで、奥までずぽずぽして……♥」
 ボク、なにいってるんだろ。すっごく恥ずかしいことを言ってるはずなのに今はもう全然そんなことどうでもよくって、ずきずき疼いてる柔らかい内側のお肉をどうやってゴシゴシしてもらうかで頭がいっぱいになってる。これも蛇神さんの力に違いない。そうじゃなきゃ、ボクがこんな恥ずかしいこと言うわけないもん。
「いいよ。連れていってあげよう」
 蛇神さんの声はいつもと同じで穏やかだった。実はとってもエッチなのに、こういうのが顔に出ないから蛇神さんはいつだって涼しい顔をしてる。だけどエッチのときになるとおちんちんは大きくなって、カチカチに固くなるのをボクは知ってるから。おっぱいから離れた手がボクの背中と膝裏に周り、女の子にするみたいに優しく抱っこしてくれる蛇神さんが、ボクはやっぱり憎めないなーなんて思うのだった。

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パパとママの前でいやらしいことをされる話