発見と発見



今日は土曜日。
現在、午前9時。既に陽が昇り、部屋が暑い。
どうやらクーラーが切れてるらしい、今は残暑とか言われる季節だが、まだかなり暑い。

そして…

マダラがいなくなっていた。

昨日どさくさに紛れて抱きついたり写メったりしたから、嫌になって出て行っちゃったのかな…


そんな、どうしよう!!


急いで窓から外を見る。マダラが居ないか見回して探す。
すると洗濯物が干してあって、さりげなくだけど、しっかりマダラの衣服が干してある。
日陰には暁特有のあのコートも干してあった。


「マジかよ…普通すぎる、干し方普通すぎるぞ、違和感がない」

「ただの洗濯物だからな」

「はっ!?…マダラ!!!びびびびっくりした!!」

「昨日はよくもやってくれたな、ゆう…」

「…えー、根にもってんのかよー…いいじゃん別にー」

「いいわけないだろ、いいからとりあえず起きろ」


なんて言いながら、マダラがカーテンを開ける。


「お母さんが朝御飯食わないのかと聞いている」

「え、あー、食べるよ」


つかお母さんて!
笑わすなマダラお前!
するとマダラは私の部屋を一望して「ふむ」なんて言いながら落ちている本を拾、う…


「待ておまっ!!?それはダメだって!!!見ないで!」

「何故だ」


何故ってそりゃあそれが同人誌だからだよ!!
しかもまさかのトビデイだと!!?
よりによってトビデイ!?
何故トビデイ!?



…ああ、私が買ったからか。

いやいや違うそうじゃない、何故それを手にしたのだマダラ!
しかもそれ年齢指定ががががが…っ!!!!!!
アンタとデイダラ君が桃色の世界に旅立っちゃう本だよそれ!!
やめて!見ないで!
しかもトビデイの下にまさかの柱間×斑の本まで!!!

むしろそっちのがヤバい!
つかトビデイのページ開くなあああ!


「お母さあああん!!マダラがあああ!!」

「な!!」


ビクッとして急いでドアの方を見ながら本を置くマダラ。
すると階段の下からお母さんが「なに」って言うもんだから、マダラが飛び上がって私の口を押さえ「ゆうが朝ごはん食べるそうだ」なんて言って誤魔化した。


「貴様!いちいちお母さん呼ぶな!」

「マダラが言うこと聞かないからじゃん」

「なんだと!!」


つかどんだけお母さん怖いんだよお前。
よほどジャンプ投げつけられたのがトラウマになっているらしい。


「まったくお前は」

「なによ」

「はぁー…」


ため息をつきながら、また私の部屋を一望し、そしてまさかのクローゼットに手をかける。


「ちょっ待て!漁るなって!」

「クローゼットならいいだろ…着れそうな服を探してるんだ」

「待て待て待て!ダメだって!」

「何故だ」


いやだから何故って、そこには私が面白半分で買った服がね…
面白半分で買った暁のコートが入ってるんだよ!!?


まずいだろー、本物の組織の黒幕にコス用の偽暁コートなんか見られたらさー。
なんて言い訳すればいいんだよー。


「とにかくダメっ!早くクローゼットから離れて!」

「断r「お母さあああッむぐっ!!」


またコイツ私の口を…
いやだからどんだけお母さん怖いんだって!
…いやしかしいいコントロール法を見つけたわ。

「ふはは、マダラめ」

「く…っ」

「そしてさっきからそんなに私を抱きしめて、ふはははは」

「!…違う!」

「ふはははは」

「ゆう…お前、後で覚えてろよ。」

「えー」

「とにかく早くしろ、お母さんが怒るだろ」

「へーい」


そんな風に他愛ない話を二人で喋りながら階段を降りてたら、マダラが階段から落ちた。
お面なんかしてるからだよマダラ。

ああ、お腹空いたなあ。

――――お父さんが帰ってくるまで、あと約2時間。






※※※※※※※


せめて見られたくない本は片さないと。

お母さんに怯えるマダラさん。





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