光に堕ちていった貴方の影は、あまりにも大きすぎて、闇を作った。 「まずは一人目だよ…兄さん」 猫を人質に、老いた狸が逃げようとした。 そんな狸を猫ごと輝く刃で貫いた。これは正義の剣だ。 オレの後ろでは、同じく老いた狐が満足そうに笑った。 何がお前を満たした? 「目を貰うぞ、ダンゾウ」 「…この命にかけて、マダラ、貴様等を生かす訳にはいかん…ッ」 「…!サスケ!ダンゾウから離れろッ!!」 嗚呼、なんてくだらない茶番劇。狸も狐もどうせ狩人に狩られるのだから、今さら何を啼きたてる必要がある。 偉大なるあの人は逝ってしまったのだ。 あの人はきっと、犠牲の意味を知っている。だから自らを礎としたんだ。 「危なかったな…ダンゾウめ、自分が――――」 耳障りな老狐の鳴き声が聞こえている。微かな猫の鳴き声も混ざりあって。 「サスケ、…要らないのなら止めを刺しておけ」 哀れな狐は虎ではなく、狩人の威を借りようとしているのか。 だが狩人は虎と違って賢いんだ、そんなこと、老いた狐は知りもしないだろう。 猫が動く。今までよくやってくれた猫。だが、狩りに猫は要らないようだ、今日で学習した。 最期だ、せめて飼い主の手で死をあげよう。 「やめてサスケくんッ!」 飛び出てきたのは怯えた兎。小さな兎に何ができる?いいや、何も出来やしない。 お前も狩りには要らないんだ、せめて懐かしいお前にも、狩人から死を与えよう。 「!」 「サスケェ…こんなに堕ちるとはな、見損なったぞ」 次に飛び出てきたのは、銀の狼。偉大なるあの人の上に生きる、ゴミどもの仲間。 狼は強いが狩人はもっと強い、所詮は飼われた獣だ。 …兎が飛びかかってきた。そうか、牙を向くのか、だが狩りには到底要らない力だから、お前もそろそろ眠れ。 「…ナルト!」 「オレよりグッドタイミングだよナルト」 次に出てきたのは…やかましい黄色い虎。 嗚呼そうだ、コイツが狐が狙っていた虎だ。この虎を狐に捕られると、狐が鬱陶しくなるんだ。 だから偉大なあの人は、虎を狐にやらないようにしていた。 虎は強い。すると飛ばされたオレの身体を守るように現れた白いフクロウ。黒いフクロウはどうやらいないようだ。 虎がやかましく吠える、するとフクロウが呼びに行って、老いた狐が飛んできた。 「…行くぞサスケ」 オレは狐と共にアジトへ帰った。 偉大なるあの人は、どうこの世界を見ていたのだろう。 礎となったイタチ。ダンゾウは忍の世のため平和のために、礎になったと言っていた。 だがそれは違う。 イタチが礎になってくれたのはオレのためだ。 そして今、イタチはオレが迷わないように光をくれる。 「万華鏡は馴染むまで時間がかかる。しばらくは安静にしていろ、…痛むか?」 「イヤ…」 マダラが部屋を出ていった。アイツもうちはをハメた敵だ。必ず狩る。 そしてオレは偉大なるイタチに誓いをした。 「アンタが託してくれたうちはが、誇り高き一族であることを…、木の葉の飼い犬ではないことを、必ず証明してみせる」 〜後ろを見る狩人〜 オレはイタチの分身である両目に触れた。 『見てて兄さん。 必ずうちはを誉れ高き一族に、オレと兄さんが信じた、正義の一族にするから』 ※※※※※※※ なんと意味不明にorz とりあえず、闇に堕ちていったサスケの勘違いぶりを考えて書いてみました。 最後の『見てて兄さん〜』は、イタチとサスケが幼い頃にした手裏剣修行の時から持ってきました。 無邪気でただただイタチを慕うサスケを書きたかったのですが…撃沈。 この小説のサスケの記憶に根強く残るのは、木の葉の平和を願うイタチではなく、自分を守ろうとした最愛の兄・イタチなんです。 だから里よりも自分をとってくれたイタチを見て、サスケも里をとらないんですね。 サスケはイタチに反抗してるわけではないんです。 サスケには家族がいない、そして里よりもとるべき兄も今はいない。 ではサスケに残された里と天秤にかけられるものは何か。 それはイタチが託したうちはの誇りなんです。(斑さんがうちはを託したって言ってたやつを鵜呑みにしました.笑) 里はイタチがとらなかったから絶対とりません(笑) でも心優しいサスケは、人を、かつての仲間(木の葉など)を殺める事に多少気が引けてしまうので、わざわざ動物に見立てて、頑張るんです。 自分を狩人と奮いたたせて、狩人が狩らなければならない動物を対象にして。 まあそんな感じです← 要するにこの小説のサスケは、ただの兄さん大好きっ子の真似っ子さんというわけです←← 因みに、何故、題名が『後ろを見る狩人』かと言えば… まあなんとなく今までのくだらない説明でお分かりになると思います。 残念ながら兄さんもうちはも消えてしまった…つまり過去なんです。もう答えですね、これww それでは長々とここまで読んで頂きありがとうございました。 |