私と君の






「やる気スイッチどーこだ!!」

「…うるせぇぞキャロット」


ここはアジトの一室。
みんなが集まって時間を潰す部屋でもある。
でもたまにこうやって、誰か(今はジンちゃん)が他のメンバーと打ち合わせをしたりもしている、まあ自由に使ってる部屋なわけだけど。
ここに私はある目的があって今日はやって来たのだ。


「突然入って来て騒ぎやがっ…」

「ふっふっふ…!!やる気スイッチそこだー!!!」

私に喋り掛けるジンを無視して、目的を…そう奴のお尻を叩くというやる気スイッチを押す。

「おまっ…やめろ…!」

「やる気スイーッチ!ヘイ!」

すかさず2発目のジンのお尻を叩く。
彼が身を翻して避けようとも、私だって組織の一員。
そんな弱々しい抵抗は効き目なんてない。
むしろイイ。ありがとうとお礼を言いたい。

「ウヘヘヘ…可愛いお尻だなぁ〜…」

「ゲスい顔してんじゃねぇよ変態キャロット…!なんだ可愛い尻って」

「ジンちゃんのぷりケツ」

「おいやめろ。そんな気色悪い単語を発するんじゃねぇよ」

お尻を手でガードしながら左手にはベレッタが光った。
真っ直ぐと銃口が私に向かっているし、今にも撃ちそうな雰囲気を漂わせている。
そして後ろにいるメンバー(主にベルモットとかバーボンとかキールとか)がジンを見て必死に笑いを堪えてるのが分かった。
あとウォッカが青ざめてるのも見えた。

だが私はめげない、諦めない。
精一杯悲しげな表情でジンを見つめる。
涙が出れば最高だけどドライアイだから出ないし仕方ない。


「ひどい…!ジンちゃん…私を撃つの…!?」

「……………てめぇが…二度とオレに性的な危害を加えなければやら…」

「うええええい!!3発め〜!!」

「…くっ…!…チッ!…ぐぅ…!チィッ…!」

なんか変な声と舌打ちのコラボがジンちゃんから聞こえてきたので、優しく彼のお尻を揉んで撫でて部屋を出た。

私はとても満足した。

後にした部屋からは「キャロットてめぇ…!!キャロット…!!戻って来やがれ!」とかドスの効いたジンの声がしたもんだから、私は慌てて部屋に戻った。

「はーい!ご要望に合わせて戻って来たよ〜!」

「はっ…!本当に戻って来るとはいい度胸じゃねぇかキャロット…てめぇ覚悟は出…」

「ウヒョオオオオ!!」

「!」

とりあえず何か喋ってるジンのお尻をもう一度触ったら、驚いた後に大人しく揉まれてくれたのでやる気が更に跳ね上がった。

これでもう私は大丈夫。

組織の仕事は気に入ってるけど、意外と気が滅入るものが多い。
だから定期的に彼とじゃれ合う事でリセットするのだ。


「ジンちゃん…いつもありがとう…」


精一杯のお礼を言って彼の顔を見た。
彼は何も言わなかったけれど、見た事もない様な、まるで女神の様な微笑みを私に返した。

ウォッカは死にそうな顔をしていた。





〜私と君の〜



やる気スイッチ。






※※※※※※※※※※※※※

ただの私の願望。
ジンにセクハ…イタズラしたい。
ジンちゃんはどんなに苛ついても夢主には暴力は振るわないイケメンです。

この後大荒れしたジンはいつもより攻撃力高めで仕事を幾つも素早く片付けたので、あのお方に褒められ労われたそうです。
ウォッカも生きて帰りました。
ハッピーエンド!!

夢主はジンと同期設定。
仲良しです。




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