02スカート丈
「スカート短ぇ上げろ」
「…何でアンタに指摘されなきゃならないの?」
放課後、殆どの生徒がいなくなるまで友人と楽しくお喋りし、その友人が部活に行ってしまったところで帰ろうと荷物の整理を始めた矢先、これだ。
膝上まで上げたスカートを指さし、机の上に腰を降ろしながら言う佐藤。
「お前の太い脚見えると気分悪い。仕舞え」
「うっわ、デリカシー無っ!」
「お前よりあるっつーの!」
「ありえない!」
ブンブンと効果音が付きそうなほど激しく頭を横に振り、否定を示す。
「デリカシー無いのはお前の方だろ!
大体お前の脚の太さの話は否定出来ない事実だ!」
「さいってー!
女の子に対して言う言葉じゃないそんなの!」
「お前が女の子とかありえねー…そういう認識したことないんですけど!」
「はァァ!?
ちょ…意味解かんない!何なの!?」
「何なのも何もねぇよ!
事実だろうが!馬鹿に馬鹿っつったらダメなのか?あ"ぁ"?」
「酷すぎるって言ってんの!
ほんっとデリカシーの欠片も無いね!!!」
「お前もないだ、「え、ごめん」………類は友を呼ぶ」
先程の友人がガラガラっと扉を開け駆け込んできた。
「…真面目にごめん」
「デリカシーの無さがそっくりだな」
…類は友を呼ぶの類ってそこか。
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