01消しゴム

「消しゴム」


「はァ?」


隣の男子から当たり前のように放たれた一言。
…ありえないわ、マジで。


「消しゴム寄こせっつってんの!」


「何さも当然みたいに言ってんの?
私はアンタの奴隷でも何でもないんですけど!」


「お前奴隷にすんなら豚のがマシだ馬鹿!
消しゴムくらい持ってんだろ?だったら貸せよ」


「アンタに貸す消しゴムなんかありませんー。
アンタに貸すくらいなら死ぬわ!」


「じゃあ死ねよ!その後に奪うから」


「さいってー!
人に物頼む態度じゃないでしょ?ほら、貸して下さいって言ってみ?」


「お前に謙るくらいなら俺は蟻に謙るわ!」


「何ソレ!私が蟻以下ってこと!?」


「蟻どころかミジン、「お前ら爆発しとけー」あ"!?」


仲裁に入ったのか定かではないが、「リア充死ねやー、末永く爆発しちまえチキショー」とブツブツ言い続ける我クラス担任。


しかしながら、佐藤がこっそりと私の筆箱から消しゴムを借りた事により、一旦踏ん切りがついた言い合いが再び再会するのだった。


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