放課後。
「おい、部活行こうぜ」 「ごめん篤史、図書委員で呼ばれててさ…」 「了解。先行ってる」
悪い、と篤史にもう一度謝り、図書室へ向かった。
・・・
図書担当の教師から本の移動を命じられ、三往復した後作業が終了した。 生憎Bクラスに女子の図書委員はおらず、自分一人で作業するしかない為随分と時間を喰う。
「朝霞くん?」
一人だと油断していたが、声をかけられ驚いて振りかえる。
「うわっ…速水さん、どうしたの?」
「職員室行きたいんだけど、場所が教えてくれない?」 「職員室?」
「委員会と部活について訊きたいの」
「ああ、それなら案内しようか?」 「ありがとう」
・・・
「お、修平遅かったな」
部活に行けば、篤史が早速声をかけてきた。
「速水さん案内しててさ」
「やるじゃんか」 「別にそういう意味じゃないよ!?」
「ぷっ、即答…で?どうだった?」
「何もないよ。別に至って普通。 お礼までしてったし…いい子だなー程度で」 「いい子ねぇ…何かありそうなんだよなぁ、あいつ」
どこか含みのある言い方をする篤史に、そうかなぁ?と疑問符をぶつける。
「だって、北高出身者だぜ?よりによって条高の、それもBクラ。 それに北高と条高ってあんま近くねぇし。 名前すら名乗んなかったし、問題児だったりしてな」
「えー?僕はそうは思わないけど…」
「まぁその内分かるだろ。 修平の言うとおり、いい奴かもしんねぇし」
そうだね、と頷いたところで笛が鳴って休憩が終わり、練習が再開するのだった。
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