「まず委員長に認めさせる方法だけど」
朝練が終わり、HR前に少し空いた時間を使って4人で話し合う。
「要は速水の凄さを見せつけりゃいいんだろ? 元々名門北高に通ってた速水なら今回のテスト…いけるんじゃね?」
「トップとればいいってこと?」
何てことない、という風に言ってのける速水さんに篤史が頷き返す。
「それなら簡単だけど」
「よしきた! そうと決まれば次は…」
言いかけた篤史を遮り、チャイムが鳴り響く。 委員長の怒鳴り声とともに、急いで席に着いた。
・・・
昼休み。
「愛理!」
「ごめんごめん!」
少し遅れた愛理はどうやらこれからの体育祭について少しほど話し合っていたらしい。
「んじゃ、愛理も来たことだし…次は部活についてだな」
「取り敢えず、勉強とか運動とかに時間当ててるっていえば問題ないでしょ」
「だな。 速水には運動も頑張ってもらわなくちゃいけねーけど」
「それは大丈夫よ」
「速水に敵ねーな! …あとはクラスにどう馴染んでくかだろ。 クラスメイトに認めさせるのは意外と大事だぜ」
「それは体育祭で補えばいいんじゃないの?」
愛理がそう言って、制服のスカートのポケットから四つ折のプリントを出した。 それは体育祭の実行委員についての話のプリントらしく、西条高校体育祭と大きなポップ体で書かれていた。
絵は恐らく美術部のものだろう。 汗を垂らし競い走る絵で、花形騎馬戦や400mリレーから玉いれまで余すことなくびっしり絵が詰め込まれている。
「実行委員になって、クラスに貢献すれば? …でも、体育祭で実行になると文化祭の方も実行に回されると思うけど…。 因みに私も実行になる予定だから」
「実行委員ね…分かった、やってみるわ」
はっきりした口調で告げる速水さんに、他3人が頷き同意するのだった。
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