それから、学級閉鎖解消まで僕は宿題に追われたわけだけれども。
「いっっ!」
余りの痛みに声を上げる。
学級閉鎖解消後予想したように速水さんからボールが飛んできた…のではなく、普通に平手打ちされた。ビンタだった。あろうことか僕の頬はみるみるうちに腫れ、保健室送り。
クラスでの笑い者愚か、心配さえされてない。 おまけに笹田委員長からお叱りを喰らう始末だ。
それでも速水さんを怒る気になどならない。
が、モヤモヤしている。
正直委員長に怒られるのは意味が分からない。 …委員長なりに、女子的な意味で共感してるんだろうか?
…原因は完全に僕である。 いやでも…自覚はしているが、それでもなんというか…。 すっきりしない、というのが正しい表現かもしれない。
「やりすぎちゃったわ」
少しばかり反省しているのか、教室へ戻ってくれば即刻謝罪が飛んできた。 正確には、謝罪というより"やりすぎた"という事実を述べただけなのだが。
それでも恐らく、速水さんなりに反省してるんだと思う。
「速水ガチすぎだろ。何があったんだよ」
間に割って入ってきた篤史。
「色々よ」
結構複雑、と少しばかり溜息まじりに言う速水さん。
「その様子じゃあ、修平が悪いみてェだな」
状況を楽しんでいるかのように、クスクスと篤史が笑った。 …やっぱり傍から見れば僕が悪いんだろうか?
「でもまぁ、一概に朝霞くんが悪いわけでもないし…私が2、朝霞くんが6、タイミングが2くらい」
「タイミング? …つーか、修平結局6割だろ」
「そんなに…?」
「こんなもんよ」
相変わらずの女王気質に、呆れを通り越しどこか同情さえ覚える僕だった。
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