01 「よろしく………ないんだけどォ!?何コレ!?ここまで来ると何かの陰謀じゃないの!?」 ここは魔法専門学校、額に傷のある青年が通うような名門校じゃないにせよ、そこそこ名の知れた高校。 今年3年生に進級した私―――美月は、来年に向け本格的に就職試験に臨まなくてはいけない…というのに。 「笑っちゃうね、僕全然構わないけど」 「初等部6年間、中等部3年間、更には高等部で3年目ってどうよ!?しかも家隣だしさぁ!!!大体魔法合同訓練のペアってどういうコト!?」 「仕組まれてるんじゃない?」 「何でそんなにヘラヘラしてられんの!?」 目の前の幼馴染―――白夜とは既に10本の指で数えられない年月を一緒に過ごしたことになる。 「怒っても仕方ないでしょ?」 「解ってますけどね、それくらい!!!」 更に腹立たしいのは、高校中の女子から恨まれること。 目の前の男はなぜだかやたらと女子人気が高い、故に私が標的となる。 11年間も恨まれ続けられれば慣れもするが、それでも12年目に突入となると辛い事極まりない。 「そんな怒ったら折角可愛い顔が台無しだよ?ほら、笑って笑って」 「可愛い言わないでよ、もう!白夜ってば、うっざい」 「アハハ」 暴言罵倒もこの男は笑って受け流す。 心が広すぎて全然効果も意味もない。 「ていうか指導官遅!!!今年誰だろ、新任かな」 基本的にこの高校では男女ペアで授業を行っていく。 (ただし悪魔でも専門学校なので、職業によって多少違う) そのペアに一人指導官(教師とはまた別)が付く形となる。 一人でブツブツぼやけば、不意に扉が開いた。 「うわっ…おはよーございま、」 え?ちょ、え? し に が み 「し、し、ししし死神ィィィ!!!!!!!」 「あ゛?誰が死神だコラ」 「おはようございます、黒羽指導官」 黒羽―――通称死神。 コイツ自体死神種族だし、何より人当たりが悪いからこの名が付いた。 教師を目指し、単位を取る為1年留年する形で4年生として指導官として居る…とは聞いていたが。 「花のJK生活完全に終わった………私の青春返してよ…」 [1/10] → |