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僕は着替えるのをやめて臨也さんのコーヒーを煎れる。臨也さんの前で着替えると、怪しい目で見られるからだ。
臨也さんは女の子よりも男の子の方が好きなのかもしれないし、それは別にいいけれど、僕をその対象にしないでほしい。
少なくとも僕には、そういう趣味がない。
付き合うなら女の子って決めてるし、それが普通の一般男子ってものだ。
臨也さんは男子っていう年齢ではないけれど。
煎れたてのコーヒーを持って臨也さんのところへ行くと楽しそうにパソコンの画面を見つめていた。
「臨也さん、コーヒーここに置いておきますから」
「ありがとう、成也君はいいお嫁さんになれるよ」
この人が言うと冗談なのか本気なのか全く分からない。
僕は曖昧に笑って着替えるために部屋へ行こうとコーヒーをテーブルにおいて踵を返した。
「あ、ねえ待って」
「何ですか?」
「来週の日曜日、二人で出掛けよう」
断れないことを、僕は知っている。
「分かりました、楽しみにしておきます」
僕は、今度こそ部屋へ向かった。
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