※結婚、妊娠してる臨也。




「死ね」
「いや、手前が死ね」
「本当嫌いだよ」
「じゃあ離婚すっか」
「死ね」
「答えになってねぇよ」

一見、ソファーに座る平和島静雄と折原臨也は、仲良く寄り添ってテレビを見てるように見られたが会話は子供に聞かせてはならぬほどに酷いものだった。

「君て嫌い。なんかムカつく」
「じゃあ結婚するとか言うなよ」
「子供出来たんだから仕方ないじゃんか。責任取りやがれ」
「だから取ってやってんだろ。いきなり何だよ、意味わかんねぇ」

クッションを抱きながら、静雄の大きな肩に頭を寄りかかり、バラエティー番組をただ無心に見つめる。

「そもそも、子供出来るとかありえない。しかも君の子供とか無い」
「じゃあ産むな」
「死ね」
「だから意味わかんねぇよ」

さっきから臨也の罵声に段々イラついて来た静雄だったが、なんとか我慢をしてテレビに集中する。

「……な」
「な?」
「名前、何にしよう、か」
「…そうだな。どっちなんだ?」
「男」
「じゃあ…俺らの名前からとってシズヤでいーか」
「何でも良い」
「素直じゃねぇの」

ぶっきらぼうに互いに答えて、またテレビを見つめる二人。静雄の足見つめながら臨也は呟くように口を開いた。

「幸せに、してよね」

憎たらしい口から、素直な言葉が出たのに暫し感動しながら静雄はテレビから視線を臨也に移した。

「当たり前だろ」

そんな言葉に臨也は顔を真っ赤にしてクッションを静雄の顔面に投げつけた。


素直じゃないけど
(あ お腹けった)
(早く 産まれて来ないかなあ…)

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