晴れやかな空に挨拶をして、中学と同じ学ランを着用。一歩踏み出せば俺の新しい生活が始まるってわけ。
沢山の人が横切る。今日から俺は来神学園の生徒。中学からの同級生もここだっけ。確か小学校から同じの子と来るとか言ってたな。まあいいか。
校門をくぐってまた空を眺める。
入学式にはお似合いなぐらいな晴天だね。
さて、と息を吐いて上履きに履き替えて鞄を持ち直すと体育館に足を進める。

会式の言葉。
校長の言葉。
名前呼び。
諸注意やら。

入学式が終わればクラスに向かって、それでいて担任の話をつらつら聞く。この時の来神は荒れていたから、全員、担任の話を聞かない奴らばかりだった。

「やあ臨也。まさか君と同じクラスとはね。ああ、神様も俺には味方してくれなかったのか…」
「何それ死ねば?」

終わり、さて帰ろうとすると新羅と出くわした。なんだ関口一番の台詞はそれか。

「てか臨也、学ランは無いでしょ。中二?むしろ厨二?」
「やっぱお前死ね」
「そういえば誘いたくないけど、今暇かい?暇だよね臨也なら」
「生憎、これからお仕事があるんだ。お前みたいに暇人じゃないんだよ変態」

新羅って中学から俺には容赦無いよね。まぁ正直、数少ない友人の一人だけど。

「そっか。静雄くんが珍しく来るって言うからさ。あと京平も」
「静雄くん?それって君の小学校からのお友達?」
「そうそう。彼っていつも周りから喧嘩売られたり呼び出しされたりしてるから、滅多に来れないからね。まあ別に臨也が来なくても良いし」

静雄くん、ね。
聞いたことあるな…確か、自販機や車を持ち上げちゃうとかいう平和島静雄くんかな?
中学の時も、喧嘩売りに行ったりしてた奴らいたし。俺としては売られたり、貶めたりだったけど。

「…やっぱ行く」
「良いよ来なくて」
「新羅まじ死ね。いい、行く」
「珍しいね。臨也が積極的なんて」
「うるさいな。仕事なんて後でやったって良いんだし」
「ふーん。まあいいか、じゃあ臨也も参加ね」
「ん」

興味あるな。人間しか興味は無かったけど、ちょっと静雄くんに興味がある。
自販機を持ち上げるんだよ?どんな奴かみてみたいじゃん。

「じゃあ行こ」
「ん」
「あれでしょ。臨也の事だから静雄くんが気になるんでしょ?」
「…まあ、ね」
「臨也らしいよ。あ」

新羅が昇降口を見ると、ドタチンの横に背が高くて良く目立つ金髪の青年が立っていた。顔もスラッとしてて、アイドルとかに居そうだ。
自販機とか持ち上げられんの?て言いたくなる。別に筋肉がムキムキな奴じゃなくて、普通にガタイが良い感じでちょっと目付きが悪いぐらい。

「臨也、来たのか」
「うん。ドタチンも来るなんて珍しいね?」
「まあ暇だったしな」
「…で、君が静雄くん?」
「……ああ」

あ。低音、カッコイイなあ…。

「俺は折原臨也、宜しくね」
「平和島静雄だ」

手を伸ばすと軽く微笑む彼が握り返す…が、

「いたたたっ」
「あ、わりっ」

何今の!
すんごい力強かったんだけど。骨がメキメキいったよ。

「……凄い力だね…」
「あ、まあ…」

ふーん。
なんか神経質な感じ。
でもカッコイイなあ…男の俺が見てもすんごいカッコイイ。

「とりあえず、マックに行こ」
「だね」

これからゆっくり観察させて貰うよ。平和島静雄くん。

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