夏の時期。
ああさすがに学ランは暑いよね。だから半袖で授業を受ける。夏になればクラスの誰もが完全に学校に慣れる。だからこそ、影で噂してたり、誰かを苛める行動とかが目立つ。夏休み前だっていうのに相変わらず授業はつまらない。
暑い。
暑い暑い暑い暑い暑い、暑いとイライラするよね。

「あっつー」
「スプレーかそっか?」
「あ。マジ?ありがとー」

ちょ、俺にもスプレーのが風でこっちに来てるし。つか臭い。授業中だしもうマジ勘弁。
あと少しで昼休み、か。
昼休みは一年同様に四人で食べてるんだけど、たまーにクラスの女子とかうざったく付いて来たりするんだよね。

チャイムが鳴り響くとクラスの奴らはやっとかーとガタガタと教科書を片し始める。うんうん、俺も早く屋上に行きたい。

「ねえ折原ーちょっと良い?」
「なあに?」

だから声かけてくんなよ。面倒だな。

「こっち来て」

腕を引かれるがままに教室から出て行くと、この子と良くつるむ女子たちがわぁわぁ言ってる。まあ何かは分かるけどさ。

「なに?」

踊り場にやってくると恥じらうように「好きなんだけど」と言ってくる。まあ予想はしてたから驚かないけど。

「ごめん」
「……っ」

彼女は泣きながら階段を降りてった。まあうん、本当なら「タイプじゃない」と言いつけてやろうかとしたけど、さすがにそこまで悪はしないよ。このまま階段を上がると三人がいてドタチン以外ニヤニヤして俺をみた。

「なに?今の見てたの?悪趣味だね」
「いやあ、臨也はモテるねえ」
「罪作りな奴だな」

ちょ、シズちゃんには言われたくないよこの鈍感やろう!
一年のとき隠れファンなんてほとんどだったんだから。きっと暴力が無ければ毎日告白されてたぐらいじゃない?

「さっきの子、この間も屋上について来た子だろ?」
「そうそう。迷惑過ぎる」

屋上のドアを開けると暑い。
暑すぎる。熱中症になる絶対。

「場所変える?」
「理科室で良いじゃん。あそこ涼しいていうし」
「じゃあ行こうか」

さすがに屋上で昼飯は暑すぎて食べれないので理科室移動した。
それからそこでご飯食べて何事も無いかのように五分前のチャイムが鳴り席を立つとクラスに戻る。クラスには泣いて友人に慰めて貰ってるさっきの子。
ああやだやだ。こういうの嫌い。泣いて俺が悪いみたいじゃん。別に俺は何もしてないし。勝手に好きになられても困るんだけど。

(やっぱつまんない)

ねえシズちゃん。
やっぱり君が居ないとつまんないよ。
暑さでイライラはするし。

(シズちゃん…)

なんだこれ。
俺がシズちゃんのこと好きみたいじゃん気持ち悪い、
でもシズちゃん。
約束、絶対に留年しろよ。
君が居ない一年なんかつまらなすぎて死んじゃうよ。
…あは。この時点でおかしいよね?

(暑い)

この顔の暑さも夏のせいにして俺は次の授業のチャイムに寝についた。



(暑いな)
(これも全部シズちゃんのせいだ)

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