「まさか臨也と静雄が結婚するとは思え無かったね。ついでに子供まで出来たなんてビックリだよ」
「俺もだ。高校ん時は喧嘩しか無かったからな」
「あの頃は本当に荒れてたもんね。まあ臨也が静雄を好きなのは知ってたけど」
「え、嘘、いつの間に気付いてたの?」
「臨也って意外と表に出すタイプだよね」
「俺、絶対に気付かれないと思ってたんだけどな」

静雄と臨也、新羅と門田は昔の事を振り返りつつおかずをつまむ。
昔、四人が高校時代の頃、今は来良と名を変えた来神学園は荒れていた。それも金属バットを引きずってリーゼントにする輩も多かった。そんな中で一際異彩を放って居たのはこの静雄と臨也だ。標識を抜いて武器にする静雄に、ナイフを武器にする臨也。互いにボロボロになって学校に帰って来ると担任に怒られて居たのを密かに思い出す。

「まあ…素直じゃないのは前から治って無いみたいだけど」
「そ、んな事…無いけど」
「だってプロポーズも始めは断ったらしいじゃないか。静雄好き好きだったくせに」
「……だ、だって。信じらんないじゃん。シズちゃんの子供とか…一回遊びで抱かれただけなのに…」

高校卒業のすぐあと。
二人は遊び半分で身体を重ねた。始めは臨也が挑発し、童貞であった静雄は臨也で見事童貞卒業をした。
中出しをされたが気にはしなかった。しかしながら気付いた時にはお腹には静雄との子が居るのだと新羅に聞かされ、その事を本人に話すと責任を感じたのか「じゃあ結婚するか」という静雄の申し出に始めは断った。
だが静雄も自分が好きだと告白して、二人は結ばれ結婚をした。戸籍上の問題も無い。めでたく平和島臨也となったわけだ。

「でも本当に意外とお似合いだよね君ら」
「やめてよ。シズちゃんとお似合いなんて気持ちわるい」
「ほんっと素直じゃねぇの」
「静雄だって分かってて結婚したんだろう」
「まあ、そうだけどよ」

コイツの全部が好きだしな。とサラリと言い退けた静雄に、臨也は顔を真っ赤にしながらさっき門田たちに貰った青いバケツで頭を殴る。

「そ、そういうの!いっ、言わなくて良いっ」
「んだよ。手前も好きだとか言ってたくせによ」
「その時はその時だよ!あんまり過去をほじくりかえさないで!」
「じゃあ今は好きじゃねぇのか」

その答えに四人は無言に新羅と門田は、静雄がただ臨也をからかっているだけなのだと気付いてはいたが本人は深刻そうな顔をして俯いた。

「死ねば良いよ君」
「じゃあ死んでやる」
「……こ、この俺が、嫌いになったら君の傍に居ると思う?子供なんて産もうなんてしないし」
「簡潔にまとめろ」
「…す、好きだってことだよ!ばーか」

ああ何てバカップル。

新羅と門田はため息を吐きながら来良組が作ったおかずをつまんだ。

いつしか夜中になり、帝人や正臣や杏里は学生なのでこのまま泊まる事にした。新羅とセルティ、トムは帰り、門田達も泊まることにした。

風呂も入り、子供部屋にするつもりだった部屋を来良たちに。門田達はリビングで良いと言うのでリビングに布団を引いて寝た。夫婦は自分たちの部屋に戻る。

「今日は楽しかったね」
「そうだな」
「服とか貰ったし」
「早く産まれてこねぇかな…」
「あともうちょっと」

あと少し。

お腹をさすりながら二人はキスをして寝についた。





そんな日から一ヶ月。
可愛らしい赤ちゃんが生まれたのに誰もが歓声をあげたとさ。


12月5日の記念日
(やあ こんにちは)
(産まれて来てくれてありがとう)



夫婦静臨楽しすぎた。