「シズちゃんおはよ」
「なんだそのネーミング…」
「え?可愛いでしょ?」
「可愛くねーよ」

一週間も経てば、学校は普通に授業がはじまる。重たい教科書を持ってくんのも一苦労だ。
シズちゃんこと平和島静雄くんと出会って同じく一週間。いい加減に静雄くんと呼ぶのもなんだから親しみを込めてシズちゃんと呼べば不機嫌そうに眉を寄せる。

「ね?良いでしょ?」
「勝手にしろ」
「まぁまぁそう怒らないで。さっきコンビニで新しく出たチョコあるから食べない?」
「…食べる」

甘党なシズちゃんは何だか可愛い。見た目はどう見ても強面だし、甘い物なんか逆に嫌いな感じだけど、この強面は甘い物が好きな意外と可愛い性格の持ち主。うんうん可愛い。

「おはよう、静雄くんについでに臨也」
「おはよメガネとドタチン」
「お前ら朝からいがみ合うな…」

ドタチンはため息混じりに、重たそうに新羅の鞄を彼の机に置いた。なんでドタチンが新羅のバック持ってんの?と分かりきった質問はしない。

「お疲れドタチン」
「あ、ああ」
「すまないね。重たいの持たせて」
「別に気にすんな」
「ありがとう」

新羅は罪作りな笑みを浮かべながら鞄の中から重たい教科書を出して机に入れる作業をしてる。それを暫く見てたドタチンだけど、同じように自分の席に座って教科書を机の中に入れていた。

ああ、本当新羅って罪作り。
メガネ割れれば良いのに。

「俺もシズちゃんに鞄持って貰いたかったなあ…きっと君なら楽に持てるんだろうね」
「軽いだろ」
「自分が常識だと考えないでシズちゃん」

君は明らかに馬鹿力を最大に越した力を持ってるんだから。それは君にしか出せないから。周りは普通の人間だから。あ、運び屋以外ね。

「明日はシズちゃんに鞄持ってもらお!ね、良いでしょ?」
「…まあ昨日の借りもあるしな」
「昨日?」
「俺の喧嘩に手前を巻き込んじまっただろ。だからその礼として」

ああ。あれか。

「あんなの、ほぼシズちゃんが倒したんじゃん。てか律義だねえ」

本当に君は予想外の発言や行動をしてくれるよね。ふふ、なんだか明日が楽しみだな。

四人でベラベラ喋っていたら担任がやって来て、それぞれの席に着いた。俺の席は窓際で、少し右斜めを向くと良く目立つシズちゃんが見える。背、おっきいな。

(今日も誘って何処か行こうかな)
(次は、喧嘩しないとこで)

ああもう。
早く放課後になってよ。

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