口を開けば罵声。
嵌まるもの何て無いじゃないか。笑い立てする俺の感情に答えてよ。

ああ、あのオモチャなら棄てたよ。
つまらないゲームに構う暇なんて俺には無いんだ。ねえ分かるだろ?

ベロを見せて甘く誘っても身動きもしないなんてちょっと酷くない?

「……君って見た目より鬼畜」
「うるせぇな」
「酷いよばあか」

ねえ。

「臨也」


その口で、
「愛してる」なんて言うな 言うな 言わないで
挨拶代わりでしょう?
そんなの 要らない
要らないよ。
業と笑顔で言ってやるんだ。
「こんにちは」






甘い一時。ああやっぱり嫌。
愛を欲しいと泣き叫ぶもう一人の俺に気づいて。小芝居も演技も疲れはてたんだ。知りたくない感情を教えてよ。

もう俺の目の前にも台にも、
赤 青 黄 の三原色は見えない。
それを取り巻く人々も見えない。

「ねえ?君は俺の何処を愛してるの?」
「……理由はねぇよ」
「へぇ…」
「んだよ。変だな」
「ふふ、今日は改札まで送ってあげる」
「上から目線か」
「あはははッ」

愛の劇場もこれでお仕舞いにして。






お別れの時間。甘い恋なんて所詮はこれっぽっち。だなんて思いたくは無い、無い。
改札抜ける前にささやく「愛してる」はマナー違反でしょ?こっちの気持ちも気付いてよ。

改札抜けたら真っ直ぐ歩いて。
そのまま夢の国にでも招待?ははっ、不気味なおとぎ話になってしまうよ。

振り向いた君に。
右手で銃をつくって一発

「ばぁん」

嗚呼!
業とらしい笑顔なんてお手のもの!
憎たらしいこの口で言ってやるんだ。




いい加減、に心奪われてよ。






「ダーリンっ」






(汚れたプリズム)
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