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キーンコーン カーンコーン
キーンコーン カーンコーン

終礼の時間、俺の計算通りにチャイムは鳴った
この教室の時計は15秒遅れている
それに気づいたのは2年最初の朝礼
右手で左手首を掴み腕時計と交互に見ていて気づいた
それを灰原に伝えると
「あなたって本当に時折幼稚ね。」
と呆れられたのが懐かしい
もう夏が終わろうとしている
この姿になり黒の組織を追いかけて数年
俺たちは中学生にまでなってしまった

「では、これで終わります。さようなら。」

先生の一言でガタガタと席を立つ同級生達
また明日な、と俺も手を振る
中学生になるまでに俺には色々な変化があった
まずはがむしゃらに組織を追わなくなったこと
捕まえられれば当然嬉しいが、そこまで必死にはならなくなった
そして家に帰ったこと
江戸川コナンとしては語弊があるが、工藤新一でもあるのでそこはよしとしよう
最後に…大切な人が変わったこと

「帰るぞ。」

窓側の一番後ろに座る君
それが俺の大切な人だ

「私は日誌を書くから。と言うか、毎日言ってるけど友達と帰れば?」
「そうか、じゃあ待つわ。」
「…相変わらず人の話を聞かないのね。」
「俺がそうしたいんだからいいじゃねーか。」
「はいはい。」

呆れたように、それでいて少し笑って伏せた目
長い睫毛が太陽に透けて綺麗だ
そこから視線を手に移す
スラスラと日誌を書くては小さくて、それでも頑張って今まで生きてきたんだな
と思うと無性に切なくなる

「夏が終わるな…。」
「でも残暑は厳しくなるらしいわ。」
「あ〜、鬱になりそうだ。」
「それは地球が爆発しても有り得ないわね。」
「…馬鹿にしてる?」
「少し。」

ふふっと笑った顔がとても綺麗で
少し不機嫌になった気持ちはすぐに吹っ飛んだ
周りに人がいるのを考慮してか「江戸川くんは、」と切り出したのを制する

「一体いつになったらコナンくんって呼んでくれるのかな〜?」
「いつって…吉田さんがそう呼んでくれてるんだからそれでいいでしょう。」
「うん、だからお前が俺を名前で呼んでくれたらこっちも心置きなく哀ちゃんっ
て言えるだろ?」

そう言うと少し驚いた顔をした
この顔も実は好きなんだよな
そんなことを思いながらじっと見ていると、彼女はふっと表情を和らげこう言っ


「新一くん、」




キミと共に
こうやってゆっくり時を刻むのもいいな、なんて












瑠依様から頂きました!
瑠依〜!こんなに素敵なコ哀をありがとう!
まさか自分の誕生日に吐血するとは思わなかったw
それくらい悶えたよ中学生コ哀に!
最高のプレゼントを本当にありがとう!
一生、いや、死んでも大事にするよ!



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