小説 | ナノ





【アリーナ×クリフト】
「なんか、クリフト甘い匂いする」スン、と鼻を動かしてアリーナが首を傾げる。マーニャに面白半分で塗られたリップクリームのせいだとは言えず曖昧に微笑むと、何を思ったかぺろりと唇を舐められた。呆気に取られるクリフトを余所に、アリーナは不服そうに口を尖らせる。「なあんだ、味はしないのね」

【マーニャ×クリフト】
香り付のリップクリームでベタつく唇を押さえるクリフトに向かってマーニャが何かを投げた。放物線を描いて綺麗にクリフトの手に収まったのを見届けると「それ、あげる。」と笑ってドアを閉めた。「普通の、持ってるじゃないですか……」そう呟くクリフトの手の中には薬用リップが収まっている。

【4主とクリフト】
結い上げた髪がはらり、と一房こぼれ落ちる。モンバーバラ姉妹に施された化粧は精度が高い。「化粧で化けるって本当なんですね…」と疲れきった表情で呟くクリフトは抵抗しないのをいいことに散々遊ばれていた。主にマーニャに。「まあお前は元から女顔だけどな」と返すと、露骨に嫌そうな顔をされた。

【クリフト×アリーナ】
母を早くに失ったアリーナにとって、クリフトは兄であり、親友であり、母であった。成長した今でもおやすみのキスは習慣だ。困ったように笑いながら額や頬にそっと口付けてくれるクリフトが、アリーナは大好きだ。でも。「ねえ、どうして口にしないの?」クリフトが噎せるのに、アリーナは首を傾げた。

【ククールとクリフト】
一目見て、自分とは違うと分かった。愛し、愛され、何不自由なく生きてきた人間。口の端をつり上げるだけの笑みを浮かべると、相手はふにゃりと微笑んだ。「俺は、お前が嫌いだよ」「そうですか、よろしくお願いしますね」全く噛み合わない会話。きっと、コイツと分かり合えることは一生ないのだろう。

【ククールとクリフト】
戒律で禁止されているから、と頑なに拒む神官を宥め賺して説き伏せて、ワインに口を付けさせたのが十数分前。担ぐと吐かれそうで嫌だったので、仕方なく背負って店を出る。野郎を背負うなんて大変不本意ではあったが。それにしてもアホみたいに軽い。こんなんだから倒れたりするんじゃないか、コイツ。

【4主×クリフト】
「ありがとうございます」と微笑むと、口を噤んでしまうソロさん。告白をはぐらかすのはこれで何度目だったか。肩を掴まれ近づいた顔に首を傾げてみせると、視線をさ迷わせてから「何でもない」と手を離された。いつも大事なところで押しが弱いんですよ。まだ、言ってあげません。

【ライアン←クリフト】
攻撃を避けずに受け止める彼は、いつも誰よりも多くの傷を負っていた。それは今日とて例外ではない。最も初歩的な回復呪文を唱えると、慈しむような、それでいて懐かしむような視線を向けられる。その度に心に宿る仄暗い感情。彼の見つめる先に、私はいない。

【クリフト×ミネア】
花を象った髪飾りを私に翳して似合いますね、と微笑む。「そういうのは可愛い女の子にあげた方が喜ばれますよ」と揶揄すると、「ミネアさんだって可愛い女の子でしょう?」ときょとんとした顔。さも当然のように言われると、こっちが恥ずかしい。…本当に、天然って怖いわ。





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