長文


「いつか、いつかね」そう言ってずっと引き延ばしてきたのだけど

綺麗な惑星は手の届かない場所に有るけれど、届いてしまえばその醜さも同時に手に入れてしまうのだろう

とどのつまりそういう事なのだよ、分かったかいワトソンくん?

返して、と空に向かって吠えたとしても、美しい夜空はその星を私の手元に落とす事はない

結局自分を許せることなど出来やしないのだ、だから、さようなら臆病者よ

飛躍したアンチテーゼはいつか身体を蝕み破滅を運ぶに違いない

反発して逃げ込んで笑いあった記憶はいつまでも消えなかった

いつだって君という存在が暗闇を引き裂いて光をとどけてくれていた

この口を、喉を、お前の血潮で潤し、その頬を真っ赤に染めてやりたい

それは魔の音だ、魔曲だ、聞いてはならぬ、歌ってはならぬ、そうでなければ堕ちねばならぬ

真っ赤に染めた長い爪で瞼をひと掻きしてやれば喉を震わせ子猫のように狂おしく鳴いた





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