始まりは必然






果てしなく広がる暗闇の中に、一人の青年がポツリと佇んでいた。
何もない景色のまわりにはただ寂しさが広がっている。
青年はある一点を見たまま、動こうとはしない。



「この子がイヴの生まれ変わり…」



ポツリと呟いた言葉は暗闇に飲み込まれる。すると青年は何を思ったのかある一点に向かって歩き始めた。
その一点だけ淡い光が漂っている。青年が歩く度に、黒く広がる足元は水が張っているように波の波紋が広がる。



「………やっと見つけた、イヴ」



青年は一人の少女を見て顔を綻ばせた。
それは懐かしむような…そして、愛おしそうに。
青年は楽しそうにイヴの生まれ変わりである少女をあきることなく眺めていた。








漆黒の蝶
これが幕開け(始まり)







2009 1209
2013/02/16 修正
2015/12/19 書き直し

 

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