「ホワイトは、」
名前を呼べば、振り返ったホワイトブレザーがこてんと首を傾げた。
マスター?と続きを促されて、マスター、と自分を指す名称を口の中で転がしてみる。
白のジャケットに、白のパンツ。
青のラインの入ったそれは、まさに学生ですと言わんばかりの恰好なのだから。
「先生とか、」
呼んでみないか、たまには。
そう提案すれば、え?と一瞬呆けたあとに、ええっ?と目を見開かれて。
「え、えと、……先生」
盛大にうろたえたあとに呼ばれたいつもとは違う呼び方に、ずるずるとその場にへたれこんだ。
「ま、マスター大丈夫ですか?!」
「マスターじゃなくて」
「せ、先生大丈夫ですか…?」
「あーお前が可愛すぎて全然大丈夫じゃない」
(120816)