「…カイト?」
「カイトじゃないです、サンタです!」
そうニコニコと微笑む赤い服の子は、どう見てもうちのカイトだったのだけど。
まあ、楽しそうだしいいか、と一人ごちる。
大方、ネットサーフィン中にサンタクロースの記事でも見つけたのだろう。
自分からコスプレをするなんて珍しいし何より可愛いので、何ら問題はない。
「でも、サンタのコスプレならせめて冬だろー」
「いや、だからコスプレとかじゃなくてですね…」
待てなかったのかと笑いながら尋ねれば、何か言いかけたカイトの後ろに見慣れた青い姿を見つけ驚いた。
カイトが、二人?!
「ま、マスター…?!誰ですかその俺!」
「か、カイト…?」
どういうことだと二人を見比べて焦る俺に、しびれを切らしたようにサンタの恰好をしたカイトが言葉を叩きつけた。
「だからっ、俺はカイトじゃなくて、いやカイトなんですけど、サンタなんですってばー!」
しまった、モジュ名サンタじゃなくてクリスマスだった
(120816)