※R15なぬるエロ


吉田くんが好きだった。
別に俺はホモだとかそういうものではなかったのだけれど。勿論、吉田くんも。彼とはただの友達だったはずだ。なのに、何故だろう。何時から俺は吉田くんをそんな目で見るようになってしまったのだろうか。きっかけは全く覚えていない。それでも、いつの間にか彼のことが好きになっていた。恋愛対象として。そして、性的対象としても。
そう自覚してからというもの、俺は吉田くんのことを思い浮かべながらヌくようになった。気持ち良さそうにしまりのない顔をする吉田くん、涙を流しながら俺に懇願する吉田くん、誘うような熱い視線で俺を見る吉田くん、過剰なまでの痛みに喘ぐ吉田くん、俺を見下した様に笑いながら脚を開く吉田くん、嬉しそうに俺のイチモツをくわえる吉田くん…。当たり前のことだが、実際にそんな吉田くんは見たことが無い。それでも俺の妄想の世界は広がる。そうして俺は、夢の世界の吉田くんを汚い精液で汚していくのであった。妄想の世界では、設定は違えど吉田くんは必ず俺のことを心から愛してくれていた。
…都合の良い話だ。現実では有り得ない、こんなこと。吉田くんがそんな目で俺を見てくれる日は絶対に来ない。来るはずがない。なのに、なのに俺は何を夢見ていたんだ、一体。
俺は今日、吉田くんに告白した。好きだといった。吉田くんのこと好きだ、性的対象として。俺がそういった時の彼の目は、今まで見たことも無いくらいに暗い色を帯びていた。まるで汚物でも見るようにして、目線だけで俺を詰った。気持ち悪いそんな目で今まで俺を見ていたのか裏切り者気持ち悪い気持ち悪い友達だと思ってたのに気持ち悪いホモ野郎が今まで俺を騙しやがって気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い…。声には出ていなかった。けれども彼の目線はその様な意味を孕んでいるだろうと何と無く感じた。
何をやっているんだ俺は。こういうことになるのは分かっていたはずだ。何を勘違いしていたのだろうか。妄想と現実の境界が、いつの間にか曖昧になっていた。彼は俺の言葉を待っているような気がしたんだ。早くお前のモノが欲しい。入れて。そして乱暴に掻き混ぜて欲しい。そんな声が聞こえた。だがそれは全て俺の妄想だったのだ。後悔したところで、今さら遅い。
俺はその場から逃げた。逃げた。彼の前から。
逃げ込んだ俺の部屋、ベッドに腰をかけ頭を抱えた。もう会えない。もう彼とは二度と。なんてことをしてしまったんだ俺は。膝が、肩が、手が、身体中がぶるぶると震えた。喉から嗚咽が漏れ、目頭がみるみるうちに熱くなっていく。
吉田くん。
名前を読んだ。震える身体と嗚咽の漏れる喉からは、掠れるような声しかでなかった。
どうしたんだ。
ふと隣で声がした。見るとそこには至極心配するような目で俺を見る吉田くんの姿があった。
吉田くん。
名前を呼ぶ。
震えてるな。
柔らかな笑みを浮かべる吉田くん。しかしそれとは裏腹に、彼の目線はねっとりとした熱を孕んでいた。
吉田くんが俺を押し倒す。吉田くんは何故かワイシャツ一枚しか纏っておらず、薄い生地から伝わる彼の熱が妙に熱くて俺の下半身がずくんと疼いた。吉田くんの指が俺の身体をゆっくりと滑る。首筋から胸を通り、臍の辺りでくるりと回り、また元来た道を辿る。吉田くんの指が俺の着ているのワイシャツのボタンにかかった。そのまま一つずつゆっくりとした手つきで外していく。まるで俺の興奮を煽り、焦らすかのように。ふと顔を上げると艶めかしい目で俺を笑う吉田くんの姿が映った。
俺は吉田くんを押し倒した。形成逆転というやつだ。吉田くんは一瞬呆けたような顔をしたが、すぐにまた先程のような表情へと戻った。
お前は童貞か。
鼻で笑う吉田くん。だがそれだけの行為も俺にはひどく淫靡なものに見えた。
吉田くんのワイシャツの前を思い切り引きちぎる。ボタンがぴんっという音を立てて四方に飛んでいき、幾つかは床に落ちたらしくかつんかつんと小さな音を響かせた。吉田くんの薄い胸板を乱暴にまさぐる。小豆程の突起の片方に優しくキスを落とすと、吉田くんが小さく声をあげた。その声に反応するように、俺の自身が少し固くなったのがわかった。片方のものは口で、またもう一方は空いている左手でそれぞれ愛撫した。その度に吉田くんは身体を震わせ、小さく喘いだ。
腹に吉田くんの固くなったものが当たり、とめどなく溢れる我慢汁で俺の身体をべとべと汚していく。ちゃんと感じてくれているのが嬉しくて、俺は愛撫の動きをより一層強めた。
このまま射精させてあげようか、そんな考えが頭を過ぎった時、不意に吉田くんの手が俺の腕を掴んだ。
どうしたの。
そう尋ねると、吉田くんは少し躊躇ったが、ゆっくりと口を開いた。
もう、いいから。
そう言って吉田くんは自ら脚をゆっくりと開いた。そこから覗いた小さなすぼまりはテラテラと光り、うねうねと厭らしい動きで収縮を繰り返していた。俺はごくりと唾を飲み込んだ。
入れて、お前の欲しいよ。
早く、もう我慢できないから。
卑猥な言葉に顔を赤らめながらも、しっかりとした口調で吉田くんは言った。
俺、そこはまだ何も弄ってないのに。
どうしてそんなにぐずぐずになってるの。
乳首弄ってもらってる時、自分で解した。
なんで。
中が疼いて仕方が無かったから。
淫乱だね。
うん。
そう言った吉田くんは嬉しそうに笑った。
そう、俺は淫乱だから早くお前に入れて欲しくて仕方が無いの。
早く入れて、それで俺の中ぐちゃぐちゃにして。
…もう、限界だ。
俺は一気に自身を吉田くんの中に埋めた。吉田くんの中は非常に熱く、俺を逃がすまいときゅうきゅうと吸い付いてくる。それが痛いくらいに気持ち良くて、俺のものは大きさを増した。
吉田くんが喘ぐ。胸を弄っていたときとは比べものにならないくらい大きく、甲高い声で。その声に反応し、ずんずんと大きくなる自身に我慢出来なくなり、俺は激しく腰を振った。ギリギリまで引き抜いてそこから一気に奥をつく。その度に吉田くんは喘いだ。最早喘ぎは叫び声と化していた。
吉田くん。
熱に浮かされた頭で、彼の名前を呼ぶ。吉田くんもすでに痛々しい程に掠れた声で俺の名前を呼んだ。
吉田くん、好き。好きだよ。
何度もそう叫んだ。
俺も、好き。
吉田くんは嬉しそうに笑いながらそう言った。
…都合の良い話だ。現実では有り得ない、こんなこと。吉田くんがそんな目で俺を見てくれる日は絶対に来ない。来るはずがない。分かってたことだろ?
妄想の世界の吉田くんは一際大きな声をあげイった。俺もそれに釣られるようにして、何もない空間へと射精した。
射精する瞬間、俺はあの時の俺を見る吉田くんの冷たい目線を思い出していた。
丸められた大量のティッシュの中で、俺は声を上げて泣いた。


妄想癖





元ネタ
「ティッシュ箱を抱えて泣く」
↑は友神が考えたお題でした
彼女はまあ失恋とかそうゆうののショックで箱ごとがっつり泣いちゃうとかそうゆう綺麗な感情で考えたものらしかったのですが
それを見たとき
私ともう一人の友神は
これは自/慰/行/為ですな
と思ってしまったわけです
全く残念な思考回路です
そうゆうわけで
その勘違いな変態篠塚と変態友神はそのお題で小説を書くことにしたのです
今回のものがそれ

もっと健全な
朝ちゅんみたいなものにするつもりだった
つもりだった

(2010.01.20)
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